藤倉 一巳
<経営再生を実行中の事例>
1.会社事業内容
当該会社は金属全般・ゴム・プラスチック・皮等に特殊塗装技術を有し、特に赤外線発光塗装は赤外線があたるとピンク・ライトブルーに色が変化する。また、環境にやさしい塗料としての鉛フリーの塗料はベビー服にも採用され、なめても無害が特徴でもある。これら技術は中小企業新技術開発事業に認定され助成金の交付を受けた。
2.設備投資
本社工場のほかに1992年茨城工場を操業させたが、その後取引先企業が生産拠点を中国に移管したことにより操業度が低下、また、1997年にはフィリッピンに別会社を立ち上げたが、このころからキャッシュフローが回転しなくなり個人借入が急増するようになった。
3.コンサルティング事業の開始
本年3月から紹介依頼よりコンサルティングに入った。
コンサル手法は、中央支会マスターコースにおける「経営革新のコンサルテイング・アプローチ」における私の持分野から「コンサルテイングに必要な知識・手法」である。
1)求心の把握・・クライアントがコンサルタントに何を求めているか。
a. 問題や課題に対して経営者自身が自分なりの答えは持っていて、その仮説を認めてもらいたいのか、
または、
b. 問題や課題自体がわからず、当然答えもわからないのでカウンセラー役がほしいのか、の確認からはいった。
2)自主性と成長・・学習と成長のゴールデンバランス
a. 自主性を育てるためには意欲が原点でありここを刺激する。
b. 短期の達成可能目標を策定し決定させる。
c. いまは、b.の段階であるが次は自己評価・自己満足を味あわせる。
d. 次はアメとムチを使い分け従事者全員の成長を図る施策をおこなう。
3)コンサルテイング手法
a. 戦略は分析型戦略=問題解決型からはいった。戦略にはこの他にプロセス型戦略=問題発見型 があるが、問題が見えているので問題はなにかの認識を確認する。
b. 次に、問題解決をさせるための成功要因はなにかを経営者とデスカッションを行い共通認識する。
c. バランススコアカードの4つの視点から、まず財務に関する指標を設定し短期1年の目標をたて、数字を月次に落とし込む作業を行う。
d. c.を完遂するためには解決しないといけない問題をまず解決する。この場合のKPI(Key Performance Indicator)は費用削減型であり、これが見えた時点でプロセス型戦略に戦略転換を図る。
4.当該会社における今後のコンサルティング活動領域
今後の活動領域の重点は、a.事業ドメインの再確認、b.顧客の調査、c.製品の用途開発、d.業務プロセスの改善、e.社員教育 等やるべきことは山積みながら、私の弱い分野は他の中小企業診断士とのコラボレーションを引きながら目的を完遂したい。
学習と成長として「問題発見能力向上研修」を経営者も含めて実施していく。なお、機会があれば当該会社の経営状況も報告して行く所存である。
5.おわりに
D社のコンサルをはじめて3ヶ月であるが、当該会社は私の年齢に近い半世紀も生存してきた。また、典型的な同族会社ではあるが三代目にならんとしている長男もいることであり、産業集積の一翼をになうD社を優秀な会社に仕上げる所存である。
■藤倉 一巳
株式会社エムアールエス/藤倉会計事務所
中小企業診断協会東京支部中央支会常任理事
中小企業基盤整備機構・中小企業会計啓発・普及セミナー講師、東京都中小企業振興公社専門家登録・中小企業診断士受験校講師
経営再生コンサルテイングの実践・問題発見能力向上研修等々、経営戦略・人材教育・財務会計・各種税制・不動産の有効活用・節税対策等
連絡先:103-0023東京都中央区日本橋本町4丁目2番10号久木田ビル
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