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経営者向けQ&A「ITを活用した中堅・中小企業の経営革新支援」(2005年8月)
宮川公夫(みやかわきみお)

【質問】
 社内でコンピュータを利用している者は、全体の7割程度にとどまっており、十分に活用しているとは言えません。社内の情報の風通しを良くし、良く見える状態をつくり、経営のスピードアップを実現したいのですが、何か良い方法はないでしょうか?


【回答】
 卸売業にとって、「在庫情報」は非常に重要です。特に最近は、販売先小売業で店頭在庫を圧縮する傾向が強まっており、そのため卸売業へのリードタイムの短縮化要請が強まっています。「在庫情報」などの重要な社内情報を早く正確に共有することが不可欠です。
「在庫」の問題に限らず、事業におけるさまざまな問題点を明らかにするとともに、これらを解決するための手立てが求められています。その1つとして、ITの利活用があります。

 中堅・中小企業のITを活用した経営革新支援策として、「CIO育成・活用型企業経営革新促進支援事業」というものがあります。中堅・中小企業の経営者の方が、経営革新を目指す場合に不可欠な、ITの利活用に関する情報や支援環境の提供を受けることが出来るものです。経済産業省は、2004年6月から、中小企業の戦略的情報化を促進するため「IT経営応援隊(中小企業の経営改革をITの活用で応援する委員会)」を立上げました。

 この事業の対象は、(1)経営革新を目指し、ITの利活用を図る中堅・中小企業の経営者等、(2)経営革新を目指し、ITの利活用を図る中堅・中小企業の経営者等を支援したいとお考えの方です。
 この事業の内容は、中小企業におけるIT利活用による経営改革事例の発掘・輩出や、経営改革に向けたIT利活用についての徹底的な普及などです。また、この事業をさらに積極的・効果的に実施するため、政府や政府関係機関だけではなく、中小企業支援機関や民間事業者並びに金融機関・自治体等、中小企業の経営改革やITの活用支援に携わる多数の関係者との幅広い連携を図っています。これにより、我が国における中堅・中小企業の経営改革を支援し、そのツールとしてのITの活用を加速度的に促進させ、我が国産業の競争力強化を図ることを狙いとしています。
 中小企業の経営者にとっては、ITコーディネータなどのIT活用の疑問や具体的な相談に乗ってくれる一元的な窓口となります。IT経営応援隊は、2004年度から2006年度までの3年限定の時限プロジェクトです。
 具体的な活動内容として、「IT経営応援隊事業」には、中堅・中小企業向けIT経営教科書の作成と普及、IT経営百選選出企業(経営戦略、IT活用の実態などが優れており、中小企業経営者の目標となりうるような事例を収集し、選出します。これにより、中小企業の経営改革・IT活用への「気づき」を促すとともに、戦略的IT投資に取り組む企業にとっての参考書としての活用を目指しています。)によるIT化事例集作成・普及、IT経営百選選出企業によるIT化事例発表会、ホームページ等による情報発信事業、経営者研修会(中小企業の経営者および情報化責任者・CIOを対象とした参加企業の経営戦略立案手法とその経営課題を解決するための情報化企画書の立案方法を学ぶことができます。)などがあります。また、「地域IT経営応援隊事業」として、中堅・中小企業向けIT経営事例発表会、中堅・中小企業向けIT成熟度診断事業、地域における情報発信事業、その他地域の特性に応じた各種イベント、IT化事例発表会などがあります。そして、それを実施するため、全国には北海道IT経営応援隊、東北IT経営応援隊、関東IT経営応援隊、中部IT経営応援隊、関西IT経営応援隊、ちゅうごくIT経営応援隊、四国IT経営応援隊、IT経営応援隊九州地域ブロック連絡会、沖縄IT経営応援隊の9つの拠点があります。

 これら、IT経営応援隊事業を支える人材として、ITコーディネータがいます。ITコーディネータ制度とは、2001年に経済産業省の推奨資格として発足しました。1990年代以降のわが国経済の停滞は、いわゆる「失われた10年」とよばれ、国内景気の沈滞ムードを引き起こしました。さらに、ITの発展に伴い、今後の経営にITの利活用が不可欠であるにもかかわらず、中堅・中小企業における活用状況の遅れに鑑み「経営とITの橋渡し役」として、ITコーディネータが育成されました。ITコーディネータの能力水準の維持およびレベルアップを図るため、ITコーディネータには毎年度一定量の知識と経験を積み重ねることが求められています。
 ITコーディネータの活動領域は広く、経営戦略に深く関与して経営分析を実施することで、現状のビジネスモデルを把握するとともに、当該企業の成熟度に照らしながら、当社にとって最適で理想的なビジネスモデルを示します。
 このビジネスモデルを実現するための「IT化戦略」を策定し、それに基づいたソフトウェアおよびハードウェアの選定および調達を支援し、実装およびテストを経た後、運用に至ります。
 これらの一連のIT化プロジェクト管理を支援するための人材がITコーディネータです。

 この「CIO育成・活用型企業経営革新促進支援事業」の問い合わせ窓口として、つぎのようなところがあります。
(1)経済産業省 情報処理振興課
(2)各経済産業局情報政策担当課
(3)独立行政法人 情 報処理推進機構(IPA)人材育成推進部
(4)特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会


□宮川 公夫(みやかわきみお)
中小企業診断協会東京支部中央支会所属  中小企業診断士、ITコーディネータ
家庭用品メーカー勤務 
著書に「よくわかるインテリア業界」(共著)など


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