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2006年1月26日

専門家コラム 事業を成長させる発想の転換(2006年2月)

藤崎 学

<事業を成長させる発想の転換>

 いつの世も変化が常で、昨日まで栄えたものがある日突然、或いは少しのタイムラグを経て衰退して行く。私たちは移り行く企業の変遷を目の当たりにしてきた。変化が激しく、今までの延長線上では、生き残れないことはもう誰もが知っている。しかし、なかなか新しい一歩を踏み出せず、苦しんでいるのが実情ではないだろうか。先日もあるユニフォームメーカーの社長さんがため息混じりに「最近は値段をそのままに、ポケットを新規につけて欲しいなど利益を削る話ばかりが多い。下請会社は、自分でお客様を見つけることもできず、元請会社の指示に従うよりない。」と嘆いていた。
 そこで、新たな取り組みを始める一歩を踏み出すために、過去にあった発想転換の歴史を振り返ってみたい。

1.断絶の事例(代替品の出現の歴史)
(1)音楽メディア=レコード(1940)→カセットテープ(1960)→CD/MD(1980)→ネット配信(2000)
(2)ゲームソフト=ロムカセット(1980)→CD-ROM(1990)→DVD-R(2000)
(3)暖房器具=いろり→石油ストーブ(1950) →エアコン(1970)→床暖房(1990)

 これを見ても、流行り廃りがあり成長は不連続の上にあることが分かる。会社の寿命は俗に30年と言われ、一つの事業の寿命の目安にされている。従って、規模の大小を問わず、自然界の法則にしたがって必ず栄枯盛衰があり、10年間生き残る組織は5%に過ぎないとも言われている。持続的に発展するには新たな成長曲線を作り出すより方法がないことになる。
 そこでは当然、必要とされる人材も異なってくる。成長期には、如何に効率的に事業を進めるかに長けたHOW思考の調整型人材が重用される。一方、変革期にあっては、本質を見極めるWHAT・WHY思考の戦略ビジョン型人材が求められる。自分なりの考え方を示して組織をリードする人材が重要になる。

 発想の転換の着眼点には、顧客との関係性を単発のカスタマーと捉えるのではなく、継続的なパートナーと考える見方がある。また、顧客満足を図るとともに、単に製品特徴の訴求ではなく、お客様の利益(ベネフィット)を具体的に描写して伝える能力を磨くといったポイントがある。そのためには、社長さん自身が発想を転換するだけではなく、視点を変える人材の育成がきわめて重要である。
 発想転換の事例をいくつか挙げてみよう。

2.発想転換のヒント
(1)どう発想すれば新製品が生まれるか
a.カルピスウォーターの秘密=カルピスはコンク飲料で普通4倍程度に薄めて飲む。カルピスを普通に薄めてもカルピスウォーターにはならない。粒径を1/8に微粒子化して始めて沈殿しないカルピスウォーターが完成した。
b.スズキのチョイノリ秘話=5万円のバイクの開発。成功はバイクから何かを外すではなく、自転車に何かをつけるとの発想転換。バイクをコストダウンする方法では11万円が限界だった。
c.甘栗むいちゃいました伝説=むき栗は、自然素材の「おつまみ」や「珍味」であった。これをパウチ包装で携帯性を持たせ「お菓子」にした。

(2)どんな新しい作り方、売り方があるか
a.ブックライナー・本の特急便=書店から直接注文品を受ける専門サービス。取次会社が50万タイトルの書籍を在庫し、読者は地元の書店に注文した本を最短3日以内で受け取れる。地元書店の復活。
b.DELLモデル=パソコンの販売を、流通業者を介在させない受注生産・直販するビジネスモデル。製品は、ネットのみで受注し、直接顧客に配達する。今や国内シェア第2位。

(3)どうすれば新市場が発見できるか
a.ショップ99=生鮮コンビニ。「適量小分け」の販売形態で、個食や一人暮らしのライフスタイルにマッチした新しい市場の発見。スーパーより安く、コンビニより便利を標榜し、商品を99円(税別)で提供。
b.洋服仕立て直し専門店=サイズ直し以外に、デザインやファッション感覚を活かしてデザイナーがリメイクする。リフォームサービスの提案。
c.ナショナルショップの復活=電気器具の修理、工事、アフターから電球の取替え、エアコンクリーニングまで電気のよろず屋さん。身近+修理=信頼でリピート需要を発掘。

(4)どんな視点で材料を見つけるか
a.乾くと木になる絵の具=北星鉛筆の乾燥すると木になるリサイクル絵の具「ウッドペイント」。おがくずをブロックに固めた後、粉末にする技術を確立。
b.漆塗り携帯電話=漆製品製造販売会社が、漆塗りの携帯電話機カバーを開発。蒔絵技術で桜の花びらや唐草紋様を描いたデザインを考案。漆の新たな用途を開拓した。

(5)どんな仕組みを導入すれば良いか
a.インターネット販売=事例は沢山ある。仮想商店街「楽天」と自社のホームページの併用でリピート率が向上する。また、実店舗との組み合わせでリアルとバーチャルの併売により相乗効果が上がる。
b.宅配ビジネス=一品からでも宅配するコンビニ店、高齢者対象の弁当宅配、安否確認する牛乳宅配などがある。保冷技術の進歩で配達時間を問わない牛乳宅配が可能になった。

 これらを参考にして、事業のあり方を再検討していただければ幸いである。


□ 藤崎 学(ふじさき まなぶ)
藤崎ビジネスサポートオフィス 代表
中小企業診断士、ITコーディネータ

投稿者 info : 01:08

2006年1月15日

2006年中央支会新年賀詞交歓会(報告)

 平成18年1月14日(土)、鉄鋼会館(東京都中央区)にて新年賀詞交歓会が開催され、約190名の方にご出席いただきました。
 景気回復の新年にあたり、また、中小企業診断士新制度施行の年らしく、盛りだくさんの内容で、大いに懇親を深めることができたと思います。
 以下、当日の状況の概略をご報告いたします。

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 まず宮崎一紀支会長の開会挨拶の後、ご来賓の三宅しげき都議会議員にご挨拶をいただきました。
その後、メイン会場で以下の2演題の講演がございました。


(1)講演 「モノづくりのこころと『コト』づくり」(15:00~16:00)
     常磐文克氏(花王株式会社前会長、東京理科大学MOT大学院客員教授、日本モノづくり学会会長)

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 「経済の現状、モノづくり、『コト』づくり」について、ご講演いただきました。

○経済の現状

 日本経済の立ち直りが見えてきたが、全企業が回復しているわけではなく二極化傾向になっており、
以下のように分類できる。
 ・伸びている企業   … 「質」を求めている  :新しい取り組みやモデルを構築している
 ・伸び悩んでいる企業 … 「量」にこだわっている:従来どおりの取り組みで売上などの量にこだわる

 消費者や顧客も「質」を求めた選択的消費をしており、他とは違う「質」を求める独自性のある経営を行うべきである。そのために必要なことは、
 1)異と交わる(自分と違うものに接して、大いなる好奇心で受け容れ学ぶ)
 2)仕事を選ぶ(世の中の変化に応じて仕事を積極的に捨て、選んだ仕事に従来と違うアプローチで取り組む)
ことである。

○モノづくり

 「質」はそのままでは見えないものだが、商品・サービスとして具現化してはじめてお客様に伝わるようになる。

・顧客満足
 顧客の言いなりの企業には魅力は無く、期待以上のものを提供しないと顧客は満足しない。顧客を驚かせ感動を与えるのがヒット商品。「モノづくり」はマーケットに問い掛けるプロダクトアウトであるべき。

・開発競争
 急ぎ過ぎると駄目、時間を掛けてでもいいものを作るべき。いいものとは「良い暮らし」を実現する商品・サービスであり、競合を見るのではなく客を見なければいけない。いいものであれば、参入が遅くとも大丈夫。

○「コト」づくり

 モノづくりには、「コト」づくりが基本となる。自分達の目標・夢・ロマンを実現するための仕組み・仕掛けを作り、奮い立った人が集まる入れ物・プラットフォームを用意することが重要である。
 企業活動自体にも「質」が問われ、規模の問題ではなくどんな「質」を提供しているかが評価される。


(2)講演 「中小企業診断士新制度への対応」 (16:00~16:45)
     小林勇治氏(社団法人中小企業診断協会東京支部副支部長)

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 新制度の改正内容とどう対応していけばよいかを解りやすく解説していただきました。

Ⅰ.診断士制度の改正

 制度の改正は「プロのコンサルタント」になることを求めている。プロとは「役立つ、銭が取れる」ことで
あり、独立か企業内かということとは関係が無い。「知識×経験=知恵」であり、実務従事により経験を積んで、
知恵とするべきである。

※制度の改正の詳細は、中小企業庁のサイトに掲載されています。
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/koyou/18fyshindan_kaisei.htm
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/koyou/download/18fyshindan_kaisei_gaiyou.pdf

Ⅱ. 診断士制度改正への対応

 更新登録要件として、5年間で30日の診断実務従事が必要となるため、中小企業診断協会としても診断実務従事の機会提供を計画している。

・診断協会が提供する診断実務従事(案)
 1)コンサルティング実務従事(インストラクターが指導する:経営者等との直接面談が必要)
 2)グループ診断による実務従事 (研究会等のインストラクターが指導する:経営者等との直接面談が必要)
 3)窓口相談業務(協会で実施する窓口相談に参加:5時間で1点、合算が可能)

・協会本部が提供する診断実務従事(案)
 1)フランチャイジーに対する実務従事(説明会+6日間)
 2)ボランタリーチェーンに対する実務従事(説明会+7日間)

・企業内での活動として更新登録要件の診断実務と見なせる事例(案)
 1)所属企業内での各種診断活動(所属先企業が中小企業の場合)
 2)取引先企業への各種コンサルティング活動(取引先企業が中小企業の場合)

 本部に加え、東京支部や中央支会でも、研究会・マスターコースを中心としたグループ診断や「ビジネス創造フェア」での窓口相談など、いろいろな実務従事の機会を作っていく予定。


(3)診断士とビジネスで連携したい企業紹介コーナー (16:00~17:00)

 診断士と連携して事業展開を行いたい以下の企業より、プレゼンテーションをいただきました。プレゼンテーションは立ち見が出るほどの盛況でした。

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 1)産業能率大学 総合研究所(外部契約講師の募集)
 2)株式会社リードクリエイト(研修講師、ヒューマンリソースアセスメントのアセッサーの募集)
 3)社団法人公開経営指導協会(企業内研修講師、コンサルタントの募集)
 4)日本プライベートエクイティ株式会社(MBO支援、仲介によるビジネス展開の案内)
 5)AIGスター生命保険株式会社(企業、個人向け保険紹介によるビジネスの案内)

 また、中央支会会員の出版本の即売会も行われました。


(4)懇親会 (17:00~18:30)

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 宮崎一紀支会長の挨拶の後、来賓を代表して千代田区、中央区、文京区、東京商工会議所、中小企業診断協会の各代表者様よりご挨拶をいただき、そのほかにも多数のご来賓がご臨席されました。
 高島利尚東京支部長の乾杯音頭のあと、和やかに交歓会が開催されました。
 最後は小出康之副支会長による三本締めによる中締めで無事終了。本年の皆さまのご発展、ご健康、ご健勝を祈って散会いたしました。

投稿者 info : 20:03

2006年1月 9日

名倉 寛恭

有限会社名倉コンサルタント事務所
http://www.yu-bi-ken.biz/index.html

投稿者 info : 23:32

2006年1月 4日

大井 靖彦

有限会社マネジメントプロセス研究所

http://members3.jcom.home.ne.jp/3241628401

投稿者 info : 12:06

2006年1月 3日

3部(会員部、研修部、研究会部)合同「ファシリテーション」セミナー開催のお知らせ

診断士のためのファシリテーション入門=問題解決ワークショップ=


 「参加型セミナー」をコンセプトとして開始した3部による合同セミナーですが、今年で3年目を迎えることとなりました。このセミナーの特徴は、講義だけでなく、その内容を実際に行い体感することにあります。
 今回もその趣旨に基き、「ファシリテーション」を取り上げることと致しました。一度は聞いたことのある言葉だとは思いますが、きちんと整理し理解されていますでしょうか。関係者の知恵を引き出し効果的な結論を導き出すために、中小企業診断士として今後ぜひ身に付けたい手法と思われます。
 これを機会に、「ファシリテーション」を実際に経験し、実践的な考え方・手法を体得して頂ければと思います。

日 時:2006年3月18日(土) 13:15~16:45(受付開始13:00)
※終了後、講師を囲んで懇親会を行います。

会 場:(財)東京都中小企業振興公社秋葉原庁舎3階第2会議室
千代田区神田佐久間町1-9 tel:03(3251)7886
JR線・東京メトロ日比谷線 秋葉原駅から徒歩3分
http://www.tokyo-kosha.or.jp/kosha/office/akiba.html

テーマ:診断士のためのファシリテーション入門=問題解決ワークショップ=

内 容:ファシリテーションは会議を行う手法として開発されましたが、プロジェクトマネジメントのコアの技法として、1980年代中頃から重要性が認識されてきました。
ファシリテーションの対象として、現在以下の種類がありますが、今回は中小企業診断士のニーズに合わせ、1と3を中心に体験セミナーを行います。
1.会議ファシリテーション(基本ファシリテーション)
2.変革ファシリテーション(ビジネスファシリテーション)
3.協働ファシリテーション(プロジェクト、NGO活動等)
4.教育ファシリテーション(教育手法特に、ビジネススクールの教育技法)

講 師:岸本 光永氏
東京大学大学院経済学研究科修士課程修了
ソニー株式会社、コスモ証券株式会社、日本金融システム研究所、アーンスト&ヤングコンサルティングを経て、現在、ファイナンシャル・アナリスト、協同組合アンビ・コンサルティング・パートナーズ理事、大阪経済大学大学院教授

会 費:2000円 ※別途懇親会3000円程度

定 員:36名(先着順)

申込方法:メールにて以下を明記のうえ、お申込み下さい。中央支会以外の方もご参加いただけます。
1.登録番号、2.氏名、3.支会名、4.Eメールアドレス、5.懇親会参加の有無

申込先:佐藤 裕二(会員部) fwks5547@mb.infoweb.ne.jp

締切日:2006年3月11日(土)

以上

投稿者 info : 00:26