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2006年03月31日

専門家コラム 自社のお客様のことをもっと考えてみよう(2006年4月)

<自社のお客様のことをもっと考えてみよう>

塚原 美樹

「趣味で商売しているわけじゃないんだから、好きなものばっかり作っていてもしょうがない」
「もっと市場のニーズというものに目をむけなくては」
 こんな言葉を、誰しも一度は耳にしたことがあるでしょう。ですが、果たして本当にそうなのでしょうか?自分の好き嫌いは構わず、市場の求める商品、サービスを提供すれば、商売はうまくいくのでしょうか?

とあるベーカリー店主の方がこんなことをお話しくださいました。
「うちの店の近所に住む人たちは、私の作りたいと思うパンはあまり食べないんですよ。年配者が多いですから。焼きそばパンとか、お惣菜パン、昔ながらの菓子パンなら売れるんですけど、そういうパンばかり作っていると自分で楽しくなくなるんですよね」
初めてお会いした頃、その方はちょっと元気がなくて、私にぼやいて肩を落としていらっしゃいました。
彼は本当は、本格的なフランスパンやブリオッシュ、クロワッサンなどを作りたいと思ってベーカリーを始めたのです。子どもの頃、毎週日曜日の朝、お父さんとフランスパンを買いにでかけた思い出や、外国旅行の思い出から育まれた「本格的なおいしいパンやお菓子のある食生活を世の中に提案したい、自分が本当においしいと思うものをおいしいと言ってくれる人に作ってあげたい」という思いが、彼のベーカリー開店のきっかけとなっていました。
本来なら、自分の売りたいパンを買う人が集まる場所に出店するのが、王道です。ですが、最初からそうはうまくいかないものです。予算の関係もあります。
ベーカリーを開店しようと決意して、最初にみつけたのが居抜きで借りられる今の店でした。前にもパン屋さんが入っていた場所で、ベーカリーに必要な機械などもほとんど入った状態でした。「早く独立したい、だけど予算が」という気持ちの当時の彼にとっては、好都合のところだったのです。
ところが開店してみると、駅前立地ではあるものの、街の住民の食生活は彼の考えているものとはかけ離れていました。フランスパンやクロワッサンを売ろうと思っていたのに、どういうわけか、やきそばパンばかりが売れる場所だったわけです。

 「そうは言っても、少しはファンもいるんですよ。私の作ったパンがおいしいと言って、わざわざ買いに来てくださる方もいます。そういう人は天然酵母のパンやイギリスパン、フランスパンなどを買っていくんです」
 もう少し話を聞くと、彼はこのようなことを話し始めました。
 「それでは、あなたの作りたいと思うパンを買いたいという人もいるのですね。だったら、そういうお客様のことをもっと考えてみませんか。焼きそばパンを買いにくる人のことではなくて、あなたの作りたいと思うパンを買いにくる人のことを考えましょうよ」
 「そうですね」
 「その人たちは、どんな人たちですか?どんな店構えが好きなんでしょうか?どんな場所を求めてらっしゃるんでしょうね。品揃えは?内装は?BGMは?」
 こんな話を続けながら、数ヶ月がたちました。めっきり元気になられたその方は、最近こんなことをおっしゃっていました。
 「自分が心地良くなれる仕事をしようと思います。今まで、近所の人たちに振り回されて、自分の本当にしたいことをしていませんでした。自分の本当に大切なお客さんのことを、しっかり考えていなかったんですね」
 「良く考えれば、今はインターネットの時代ですから、通販のパン屋もできるし、すべて予約の会員制パン屋だってできるわけです。これからはこの線でいきます」

 「市場のニーズ」という言葉は、ビジネスの世界で当たり前のように使われていますが、この言葉に振り回されてはいないでしょうか。「市場のニーズ」は市場全体のニーズであって、あなたのお客様のニーズではないはずです。
小さな会社にとっては、自社の価値観に共鳴するお客様を選定することが大切です。その選び出したお客様に対しては、あなたの会社は絶対的な強みを発揮することができるはずです。
あなたのお客様は、いったい誰なのでしょう?
あなたのお客様は、なぜあなたの会社を選ぶのでしょう?
あなたのお客様は、どんな時に嬉しく、どんな時に悲しく、どんな時に不安や怒りを感じるのでしょう?
もっともっと、自社のお客様のことを考えてください。もっと自社のお客様こそを、大切にしてあげてください。きっと、目の前が開けてくるはずです。

自分の作ったおいしいフランスパンを買いにきてくれるお客様のことを考えるようになったあのベーカリー店主は、まるで恋人のことを考えているみたいにワクワクしながら、話をしてくださるようになりました。

■ 塚原美樹
 中小企業診断士、経営品質協議会認定セルフアセッサー、催眠療法士(ヒプノセラピスト)。(株)ヒューマン・リスペクト代表取締役社長。
 上智大学卒業後、劇団四季に入社しプロデューサーへの道をめざすが、自らの音楽好きが高じてシャンソン歌手に転向。さまざまなアルバイトをしながら、パリ祭などの各種シャンソンショーに出演。よみうり文化センターなどのカルチャーセンターにてシャンソン教室講師を務める。その後、中小食品機械メーカーにて社長秘書、マーケティングプロモーション、経営品質事務局などを長年担当し、2004年9月(株)ヒューマン・リスペクトを創業。経営者の心に焦点をあてたコンサルティング会社として中小企業のサポートを行っている。著書:「ビジネスリーダーの夢と挑戦」(経林書房 共著)

投稿者 info : 10:02

2006年03月30日

経営診断事例 「形にして伝えること」の重要性(2006年4月)

<「形にして伝えること」の重要性>

葉 恒二

 仕事柄、いろいろな企業を訪問し、いろいろな方と話をする機会がある。その中でプラスとマイナスの違いはあるが、ある共通のキーワードを持ったいくつかの企業を訪問する機会があった。そこで、これらの会社の事例を簡単に紹介し、感じたことを述べてみたい。

【事例1】
 この会社はいくつかの事業部を持つ製造業で、新しい事業の立ち上げや新技術の事業化に取り組んでいるが、社長の立てた方針や戦略に基づいて各事業部や開発部門が立案した事業化計画がうまく進捗していない、とのことである。社長はビジョン、目標、方針、戦略などを文書化し、提示していたが、各事業部や開発部門の幹部からは、どうも迫力はない、とはいうものの文句も付けようがない、ほとんどオウム返し同然の事業計画しか上がってこなかった、とのことである。なぜこうなったのか分からず、釈然としない社長である。

【事例2】
 この会社の社長は創造力もあり行動力もあるなかなかの人物である。現在、新しいアイデアを新事業に育てようとしているところである。ところが、会社の規模がとても小さいので、資源を集中的に投入して早期に事業を立ち上げることができないでいる。
 そこで、公的な支援を仰ごう、ということになったが、ここで行き詰まってしまった。公的な支援を受けるためには公的な機関に申請書を提出し、審査を経て採択にいたるのだが、この社長は申請書をうまく書けないと泣きついて来たのだ。
 申請書は公的な支援の制度によっていろいろなフォーマットがあるのだが、煎じ詰めれば事業計画書と同じような内容を求めている。つまり、この社長は事業計画書を書くことができないと言っているのと同じことなのである。

【事例3】
 この企業は創業してから5年のベンチャー企業である。この企業も二つめの企業と同じ程度の大きさの小さな企業で、やはり研究開発に一度に投入できる資金が少なく、迅速に、また、適切な時期に製品開発、市場への投入ができなかった可能性があった。そこで、この企業も経営が安定しはじめたここ数年は毎年のように公的な支援を仰ぎ、採択され、大きな市場に隣接するニッチな市場で確実に業績を上げつつある。

【事例4】
 この企業は比較的歴史のある企業である。大きな企業の工場での構内作業の請負から出発し、少しずつ仕事の範囲を広げ、技術を要する仕事を手がけながら少しずつ技術力を向上させてきたが、構内作業の請負から出発した企業であるためか、ごく最近まで研究開発部門や研究開発に専従する人員もいなかった。それでも一歩ずつ技術力の向上を進め、しばらく前から、大学の技術を導入して新技術と新製品の開発を行っている。ところが、この企業でも基礎技術を製品化するための経営資源が不足して顧客からの要望する時期に製品化することが困難になりかねないと判断し、何度か公的な支援を活用している。

 4つの事例とも、かなり端折ってまとめたため、正確に状況を記述できているわけではない。また、4つの事例企業にはそれぞれに事情があるため、成功した要因や行き詰まってしまった要因を一つに帰することはできない。
 しかしながら、私が最近出会ったこの4つの事例には一つの共通点があるような気がしている。それが「形にして伝えること」だったのではないかと考えている。

 一つめの事例では社長はビジョン、目標、方針、戦略などを文字や数字として幹部に示してはいた。しかしながら、それが何を意味するのか、どのように展開・活用するのか、を考慮した形にして伝えなかった、あるいは伝えることができなかった。その結果、各事業部や開発部門は社長の提示した文言や数値をそのまま使った、根拠の希薄なほとんど具体性のない、また、何の課題もリスクも盛り込まれていない実に平板な事業部の計画ができあがってしまったのだ。
 二つめの事例では、社長自身も理解し努力もしているのだが、ひとえに自分の考えを具体化するのが苦手なのである。そのため、良いアイデアなので事業計画にまとめましょう、という話になったときでも数字にまとめることは無論、背景や強み・弱み、今後の展望や自社のやろうとしていることなどを一連のものとしてまとめることができないのである。ところが私などと話をしているときに私が相づちを打ちながら「なぜそうするのですか」「なぜそのように考えたのですか」と要所要所において簡単な質問で掘り下げてみると的確に回答が返ってくるのである。

 このように、偶然なのか一般的な傾向なのかを判断するのは難しいが、考えをまとめて形にし、それを提示する(伝える)ことができない経営者が結構いるようである。
それでは、考えをまとめて形にし、それを提示する(伝える)ことは難しいのだろうか。
 その答のヒントは、いみじくも三つめの事例の取締役が言われた言葉に含まれているようである。「申請書を書くのは訳もないこと。推理小説を書くようなものです。」申請書と推理小説とは少し隔たりがありそうだったのでさらに聞いてみると以下のような要旨である。
 申請書とは書き手からすれば、相手に読まれ、相手が理解や納得することはもちろん、相手が感銘を受けるようなものでなければならない。それと同時に伝えたいこと、伝えなければならないことを段階を追って、また、論理の飛躍や矛盾がない構成で組み立てなければならない。
 つまり、どんな構成にし、どんな順序で書けば相手にとって読みやすいものになるのか、相手が興味を持つものになるのか、自分の強調したいところをどこに、どのようにはめ込めば自分の意図を理解してもらえるのか、どんなデータがあれば相手の理解が深まるのか、常に読者(つまり採択する側)の視点で申請書の書き方を考える、というのである。
 実は奇しくも四つめの事例企業の開発室長も同じことを語っていた。「申請内容のシナリオが頭に入っていれば大したことはありません。シナリオがなければ大変かもしれませんね。」とのことであった。
 この観点からもう一度事例企業を見てみると、一つめの事例企業は事業部や開発部門が計画を立てる上で必要な情報を事業部や開発部門の幹部の立場に立って考え、提供したわけではなかったから伝わらなかったのだと考えられる。二つめの事例企業では、それ以前に社長自身の考えやアイデアを首尾一貫したストーリーに組み立て、それを補強する論理やデータを集めることができなかったのではないかと考えた。

 そこで、一つめと二つめの事例企業には、それぞれ強調した点はことなるが、次の提言を行った。

1.ものごとを単純化すること
 いきなりいろいろな条件を考慮に入れようとするので、条件同士が衝突してしまい、一貫した原因と結果、課題と対応策のストーリーを組み立てることができなくなってしまう。そこで、社内・社外、設計・製造・物流・販売など取り組みの対象を細分化し、ストーリーを見えやすくすること。(これは特に二つめの事例企業)

2.書いてみること
考えたことや思いついたことを短い文章にして書き出してみること。書き出しておけば、何を考えていたかを忘れることもなくなり、また、書き出したもの同士を見比べて、組み合わせたり、関連づけたり、矛盾の有無を確認したりできる。さらに、組み合わせや関連づけの際に関連づける項目間を結ぶ補足説明を付け加えて行けば自ずとストーリーができあがってくる。

3.考えたことや書き出したものを材料に自問自答を行ってみること
 本来の自分自身の立場とは異なる立場から自問自答を行えば、さらに言えば自問自答の結果を書き出して眺めてみれば、自分の考えを客観的に検証することができるようになるので、自分の意見やストーリーの検証や言いたいことが伝わりそうかどうかの検証ができるようになる。二つ目の事例企業での私の役割を自身でやってみてはどうですか、ということだ。

 自分でこのように書いていて恥ずかしくなるのだが、どれもこれも単純であらためて仰々しく提言などというほどのものでもないような気もする。
 新聞記事や雑誌、書籍の広告などを見ると難しそうな言葉や理論が並んでおり、難しそうな理論が会社の命運を左右するように見えるが、一つめの事例企業のように重要な場面であるにも関わらず、うまく行かなかった原因は単純なものである場合も多い。何事にもスピードが求められる現在であるため、単純なものであれ、大がかりなものであれ、一度の齟齬が大きな損失につながりかねない。それだけに、少しの努力で防ぐことができたり、改善できたりするところは確実に対応しておきたいところである。プラスマイナスはあるものの共通の要因をキーに持つこれら四つの事例企業と出会うことができたのも何かの縁である。今後もこれら企業の取り組みを見守っていくつもりである。

■ 葉 恒二(よう こうじ)
葉中小企業診断士事務所代表
中小企業大学校講師ほか
著書 日本能率協会マネジメントセンター「生産計画」(共著)
連絡先 葉中小企業診断士事務所
e-mail naruyo@dion.ne.jp

投稿者 info : 00:44

2006年03月19日

ファミリーマート店舗診断業務説明会の開催について ~「実務従事事業」のご案内~

ファミリーマート店舗診断業務説明会の開催について
~「実務従事事業」のご案内~
2006年3月
社団法人 中小企業診断協会
ファミリーマート店舗診断プロジェクト

 このたびの中小企業診断士制度改正の趣旨を踏まえ、当協会では、より中小企業に満足していただく診断助言機会の提供と、中小企業診断士の資質を向上するための契機としてとらえ、昨年から中小企業に対する新たな経営診断機会創出策として「診断実務従事事業」の開発に取り組んでまいりました。
このたび、この「診断実務従事事業」のプロジェクトの一つとして、(株)ファミリーマート様のご協力のもと、(株)ファミリーマート様の店舗を診断する機会を提供いただくことになりました。
 当協会では、実務に従事する機会が少ない会員の方に、現場での店舗診断を行っていただくことにより、中小企業である各店舗の経営改善に役立つとともに、会員の皆様の資質の向上を図りたいと考えています。
つきましては、ファミリーマート店舗診断業務説明会を下記の通り開催いたします。多数の会員の参加をお待ちいたしております。今回は関東近郊ですが、将来には全国に拡大する予定です。全国各地からの参加もお願いいたします。
 なお、この事業は研修ではなく診断実務であることを十分認識し、診断先の満足を得るため、真剣に誠意を持って取り組んでいただける会員の参加を望みます。

1.説明会の実施
(1)日時:2006年4月12日(水)・13日(木)18:30~20:30(両日とも)

(2)会場:東京都中小企業会館9階講堂(東京都中央区銀座2-10-18)

(3)説明会の内容:実務従事日程(土日型中心)、店舗診断の内容(マニュアルの内容)、参加要件等

(4)説明会の会費:無料(定員になり次第締め切ります。100人/日)

(5)説明会の参加申込み:2006年4月7日(金)までに別紙1によりFAXにてお申し込みください。
   FAX 03-3567-5927
   TEL 03-3563-0851
     お問い合わせは、協会本部「ファミリーマート店舗診断プロジェクト」まで

   別紙1・2のダウンロードはこちらから → 説明会申込用紙(ワードファイル 58KB)


(6)その他
a.説明会当日、別紙2に必要事項を記入して、必ずお持ちください。

b.説明会に参加されても、申し込みが多数の場合等は「ファミリーマート店舗診断実務従事」にご参加いただけない場合があることを予めご了承ください。

c.説明会に参加された方が優先的に「ファミリーマート店舗診断実務従事」にご参加いただけます。

d.2006年5月7日(日)に東京都で開催する「ファミリーマート店舗診断実務従事」実施ガイダンスに出席していただくことが条件となりますのでご注意ください。


2.予定しているファミリーマート店舗診断実務従事の概要
(1) 診断実務の内容:店舗診断・SWOT分析
(2) 参加料:有料
(3) 対象地域:関東近郊
(4) 対象店舗数:約700店舗
(5) 実施時期:2006年5月(別途10月にも実施する予定)
(6) 日程:6日間を予定しています。

以上

投稿者 info : 22:25

2006年03月16日

町田 行雄

有限会社 エム・エイ・コンサルティング

http://www.ma3.biz/

投稿者 info : 01:55

2006年03月14日

小島 琢矢

小島経営研究所

http://www.kojima-keiei.biz-web.jp/

投稿者 info : 11:39

2006年03月03日

中小企業ビジネス創造フェア(報告)

~ お手伝いします、あなたの会社のビジネス創造 ~
中小企業ビジネス創造フェア(報告)

 平成18年2月23日(木)、五反田TOCビルにて「~ お手伝いします、あなたの会社のビジネス創造 ~ 中小企業ビジネス創造フェア」が開催されました。今回の特徴は、著名な講師陣をお招きするセミナー、中小企業診断士による経営相談等のマッチングフェアによる二本立ての取り組みです。また、コーヒーを飲みながら商談していただけるスペースもご用意しました。
 ご来場いただいた方々は、企業経営者及び勤務の方107名、診断士約148名、合計で約255名でした。

    → 「中小企業ビジネス創造フェア」の説明は、以下のURLよりご覧ください。
       http://www.rmc-chuo.jp/home/mt/archives/2005/10/post_3.html

●ビジネス創造フェア
 1)人事労務・資金調達・事業継承、2)ものづくり、3)省エネ・環境対策・海外展開、 4)店づくり・マーケティング・販路開拓、5)IT化、6)ビジネス研修の6つのゾーン展開となりました。また、われわれ中央支会の活動範囲である港区・中央区・千代田区・文京区で活動する各地域の診断士会(NPO組織等)のブースも展開されました。
   → 出展者およびテーマ一覧は、以下のファイルをダウンロード願います。
      中小企業ビジネス創造フェア 出展者テーマ一覧(PDFファイル 800KB)

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 各ブースでは、ポスターやチラシなどで特徴PRや、書籍の即売等が実施されました。また、一人ひとりのお客様に対して丁寧に相談に応じる姿が多く見られました。商談コーナーでは、コーヒー・茶菓子サービスもありました。

     
●経営セミナー
 3名の著名な講師陣による、中小企業を元気付けるための話を聞くことができました。

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 1)10:30~11:30 セミナー1
   「日本経済と金融の行方~中小企業はどのように対応すべきか~」  
   木村 剛氏
     株式会社フィナンシャル代表取締役社長、「フィナンシャルジャパン」編集長、
     金融監督庁金融検査マニュアル検討会委員
   - 講演概要 -
      格差があること自体は問題ではない、格差が固定することが問題である。
      借金だけでつぶれる会社はない、本業の弱みを放置した赤字体質が問題である。
      情熱をもった起業者がでてこないと、世の中は活気つかない。
    
 2)13:30~14:30 セミナー2
  「大量生産・薄利多売の商売よ、サヨウナラ~21世紀は中小企業の世紀~」 
   西岡 郁夫氏 
     モバイル・インターネットキャピタル(株)代表取締役社長、元インテル(株)代表取締役社長
     ビジネスのプロフェッショナルを要請する「丸の内ビジネスアカデミー」主宰
   - 講演概要 -
      競争力の原点を持っている会社にITを導入すると、その企業はしっかりと伸びていく。
      戦略決定においては、真剣に検討した上で短期間で決定するべきだ。
        
 3) 15:00~16:00 セミナー3
   「『第2創業』成長への道のり  
     ~顧客の声に耳を傾けて地下水マーケットを創造したウェルシィの経営戦略とは~」  
   福田 章一氏
     株式会社ウェルシィ会長、東京商工会議所主催「勇気ある経営大賞」優秀賞受賞
   - 講演概要 -
      「自分で売価を決められるものを取り扱う」ことの重要性に気づいたことが転機である。
      新製品開発および販売時に大変な苦労があったが、問題に体当たりして解決してきた結果、
      該当商品で全国シェアの70%を獲得するにいたった。      
      上場に向けて、社員の意識改革を進める。そのための投資も実施する。
 
 今後もわれわれ中小企業診断士は、企業経営者や社員みなさまを力強く支援させていただきます。どうぞご期待ください。

以上

投稿者 info : 19:40

経営者向けQ&A「共同店舗内 総合衣料店の売場づくり」(2006年3月)

増野 雅之

経営者向けQ&A「共同店舗内 総合衣料店の売場づくり」


【質問】
地方都市の共同店舗で総合衣料の売場を展開しています。手探りで売場づくりを行っていますが、売場全体が雑然とした状態になっています。現在は中位のグレードの商品を扱っていますが、近隣に低価格訴求型のロードサイドショップがオープンしたため、品揃えについても検討中です。これらについての留意事項を教えてください。


【回答】
 各地の共同店舗内の総合衣料店で散見される売場の状況をベースに、ゾーニング・陳列・品揃えについての留意事項を回答させていただきます。

(1)ゾーニングにおける留意事項
ここでは総合衣料店の婦人服のゾーニングについてお話させていただきます。共同店舗内の総合衣料店は、核店舗として、食料品売場と同様、広い売場面積で展開されています。また壁面を背負わない店舗中央に配置されているケースもあり、売場づくりに苦労されている様子を見かけます。売場の中でも顧客層の厚いミセスの婦人服は、売場面積を広くとる場合が多いため、ゾーニングをアイテム単位でくくってしまうと全体的に単調な提案になってしまいがちです。またそれなりのグレードの商品を提案しても、お客様にはそのグレード感が伝わらない場合があります。この場合は所々に固定什器を配置して、商品のテイストやテーマ毎のコーナーをしっかりと設けることが必要になります。キャスター付きのラックだけで売場を構成すると、見た目が締まらないだけでなく、什器を多く設置しすぎてしまい、客動線を塞いでしまうこともあります。また基本的に衣料品などは商品の特性上、お客様に売場を自由に回遊しでもらい、足を止めてもらうポイントをつくることが大切です。バーゲン会場ではありませんので売場を単純に什器で区分けしていくのではなく、ストーリーを持ったゾーニングを常に考えるようにしてみてください。その上でゾーニングした個々のエリアが、どの位の効率を上げているのかといったことを検証することが必要です。これを実施しないと売場を手直しする際の判断材料にも乏しくなります。これらについては紳士服、子供服、肌着のゾーニングについても同様のことが考えられます。

(2)陳列における留意事項
先ずは個々のゾーン、什器において適量の商品を陳列しているかどうかということから確認してみる必要があります。在庫スペースの縮小や陳列時間の短縮といった理由で、お客様が商品を取り出せないほどハンギングしては、陳列している意味がありません。ラック什器いっぱいにハンギングしている場合には、その3割程度は商品を減らしてください。もちろん棚什器も商品の山済みは困りますが、そもそも商品の素材や特性を考慮せず、棚什器を使用していない売場も共同店舗の中には散見されます。カラー配列を考慮した陳列テクニックの活用は次のステップといえるでしょう。しかし陳列にメリハリをつけるための簡単な工夫は取り組まれると良いでしょう。例えば、同素材で多色展開しているデザイン違いの商品を同一のラックにハンギングする場合には、2つの商品の境にセパレート効果のある無彩色を持ってくるなどの工夫です。

(3)品揃えについての留意事項
今後、売上を伸ばしていくのであれば、客数か客単価のいずれか又は両方の要素を引き上げることが必要となります。近隣の低価格訴求型のロードサイドショップに対抗し、自店の品揃えの価格帯を全般的に引き下げた場合、当然、客単価も引き下がる可能性が高くなります。そうなると客単価が引き下がった分、今以上の客数の増加が見込めなくてはなりません。これを検証するための情報が必要となります。近隣のロードサイドショップの客単価を把握することもそのひとつです。アイテム毎の商品単価やお客様がレジで精算している商品点数などをリサーチして、おおよその客単価を把握してみてください。自店によほどの優位性がない限り、同じ低価格訴求において、このロードサイドショップの客単価を大幅に上回ることは難しいといえるでしょう。目標とする売上高を達成するために必要な客数をこのロードサイドショップの客単価を使って試算してみてください。その客数が、共同店舗全体の環境や自店の集客力から見て可能かどうか、見極めていかなくてはなりません。もちろん大幅に商品を入れ替えるのであれば、その他にも様々な角度から情報収集、分析が必要になります。


■ 増野 雅之(ますのまさゆき)
中小企業診断士/ITコーディネータ
マスノコンサルティング代表
中小企業基盤整備機構登録アドバイザー

投稿者 info : 10:10

2006年03月01日

経営診断事例 管理会計導入支援コンサルティング(2006年3月)

<管理会計導入支援コンサルティング>

長戸 美樹

1.管理会計導入支援をスタートするケース
 中小企業支援にあたり、経理部門にベテランの事務社員が在籍しているケースに何度か遭遇した。それらの事務社員には、一般的に、1)コンピュータを使いこなせない、2)財務的視点をもたずに仕事をこなしているという共通点が見られる。日々の仕事を拝見していると、銀行に何度も足を運ぶ、そろばんや電卓を使って手書き伝票を起こすなど、非生産的な状況にあるのが実態である。 またこれらのケースに共通する特徴として、1)税理士に手書き伝票をまとめて渡している、2)結果として、税理士→企業宛の月次数値提出が遅いこともあげられる。月末締めで振替伝票等を税理士に渡すのであるが、社長は数ヶ月たたないと企業の会計実態を確認できない。
 しかし、このような企業の社長は、「それが当たり前だ」と思っている。「締め後3ヶ月たたないと、資料が税理士からあがってこないので、資金の動きがわからない」「決算書は、税務署に提出する直前にあがってくるから、内容を確認する時間がないまま提出している」・・・おそらくこのような会社は日本中にいくつもあるのだろう。

 そのようなケースで事業計画策定コンサルティングに入ろうとしても、売上・仕入・販管費などの数値に信頼がおけないケースがほとんどである。また必要な数値がデジタルデータ化されていないために、コンサルタントが紙伝票をひっくり返しながらデジタルデータに置き換える作業に追われることになる。実際に、小売店舗の毎日のレジペーパー記録を数年分ひっくり返して売上を確認したこともある。その時はレジペーパーのデータをデジタル化することで、毎日の売上記録(客数・販売個数など)が確認でき、そこからようやく客単価や商品単価を割り出した。デジタル化の手段は、エクセルを利用して表に入力するという簡単なものである。これらの簡単な経営資料も、その企業では把握できていなかったのだ。

 このような、経理事務・会計事務の手書き処理から脱却できていない企業は、ようするに「企業の経営実態が見えないまま、手探りで経営を進めている状態」なのである。これでは、企業の経営戦略をたてるどころか、営業状態や資金繰り状況さえも把握できない。したがって、このような企業に対するコンサルティングにあたっては、まず「管理会計導入」というステップを踏むことになる。


2.管理会計導入支援の実際
 「管理会計導入」支援コンサルティングに取り組むにあたり、実施することは主に次の2つである。
 1)手書き伝票作成を、コンピュータへの入力に切り替える
 2)1)のデジタルデータを活かして、税理士が月次決算処理を迅速に実施する

 文字にするとこれだけのことではあるが、これは「業務の再構築」である。具体的には、販売管理ソフト・管理会計ソフトを導入して、売上・仕入・経費・人件費等をすべてデジタルデータとして管理する。その後、その会計ソフトに対応している税理士に入力済みデータを引き渡し、迅速に月次決算データを作成するという手順をとる。もしくは、税理士に請求書等の書類一式を渡して、税理士側ですべてのデータを入力する方法もある。

 この業務改革は、当該企業の経理事務担当者にとって、過去のやり方とのギャップがあまりにもに大きい。しかし、企業経営者は、会社が今後の経営を続けるにあたり、1)資金状況をリアルタイムに把握すること、2)経営戦略立案のためのデータを正確に把握することの必要性を強く認識し、この改革を断行することが求められる。社長の強い意志が、この業務改革の可否を左右する。

 結果として、コンピュータ業務にアレルギーを持つ経理社員が退職することもある。その場合は、若手事務社員を教育し、コンピュータへの入力業務を覚えてもらうことになる。入力業務といっても、一般的なパソコンにインストールしたソフトを利用するため、入力画面はとてもわかりやすい。そのため、短い教育期間で入力そのものはできるようになる。その後、会計セミナーに参加させたり、コンサルタントや税理士が数字の読み方を教えたりすることにより、担当者が財務的視野を持つようになる。さらに、会計ソフトには分析機能が付属しており、予算対比等のグラフや表が自動で作成される。わざわざエクセル等に数値を移さずとも、簡単な会議資料は作成できるようになる。
 もうひとつ、税理士の交代が発生する場合がある。旧来の顧問税理士が採用した会計ソフトに対応していない場合、または新しい業務への協力が得られない(迅速な月次決算処理をしてくれない)場合などは、この機会に税理士交代を実行することになる。

 管理会計導入にあたり、生みの苦しみは避けれらない。しかし、企業の体質強化のためにぜひ取り組まなくてはいけない改革であると言えよう。


3.管理会計導入の成果
 2に述べたような業務改革実施の成果は、主に次の通りである。

 1)経営データ整備:経営分析がリアルタイムで実施できる
 2)月次決算の迅速化:税理士からの資料提出が迅速になる
                   * 締め後10日もあれば十分である
 3)人件費削減:ベテラン事務社員の退職等

 これらの成果により、よけいな贅肉がそぎ落とされ、骨太の体質に生まれ変わることができる。3)の人件費削減効果が発生すればソフト・パソコン購入費用は十分に捻出できるため、IT投資効果としても申し分ない結果になる。

 なお、管理会計導入にあたっての新規費用負担については、中小企業の体力でも十分に対応できるレベルである。会計ソフトの購入代金は、数万円程度から可能である。ただし、販売管理システムとつなげる場合は、その分の費用が上乗せされる。コンピュータを新たに購入する場合でも、デスクトップなら数万、ノートパソコンでも20万をはるかに下回る金額で購入可能である。


4.まとめ
 この管理会計導入支援コンサルティングでもっとも大切なことは、「これは、経営改善・改革のスタートラインである」ことを、社長をはじめ社員全員で認識できるように繰り返し説くことである。コンピュータ導入によりグラフが簡単にできるようになったり、税理士から迅速にデータがでてくるようになっただけで喜んではいけない。これでようやく、経営をしっかり舵取りしていける下準備が整ったのである。

 管理会計導入によって「取引先ごとの利益率」「部署別の生産性」などの数値を的確に把握することで、思いつきではない、論理的根拠のある戦略策定が可能となる。ここまで支援するのが、戦略策定支援を専門領域とする中小企業診断士のコンサルティングである。過去の数値から未来を創るという、大切な役割を果たしている。

 最後に、経営を営むにあたっては「仮説→検証→修正」のサイクルを常に回し続けることを、強く訴えたい。新しい戦略に基づいた方策を実行すれば、その結果は数字に反映され、管理会計システムによって迅速に変化を確認できる。リアルタイムで数値を確認・分析することで、さらなる軌道修正を図るかどうかの判断が可能になる。
 「経営改善・改革に活かす」という視点をもって企業が管理会計導入に取り組む・・・これを支援するのが、われわれ中小企業診断士の使命である。

以上

■長戸 美樹
中小企業診断士、ITコーディネータ
コンサルティングオフィスプロッシモ代表
中小企業診断協会東京支部中央支会常任理事、NPOちゅうおう経営支援(特定非営利活動法人東京都中央区中小企業経営支援センター)理事
イー・マネージ・コンサルティング協同組合、NPO埼玉ITCに所属
学校法人田中千代学園東京田中短期大学服飾造形学科 非常勤講師(「起業論」「起業時のインターネット活用」担当)

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