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専門家コラム ホームページは経営戦略そのものだ!~その3~(2006年7月)

<ホームページは経営戦略そのものだ!~その3~>


長戸 美樹

今回はシリーズの3回目です。その1・その2は、以下のURLよりご覧下さい。

その1 http://www.rmc-chuo.jp/home/mt/archives/2006/04/20065_1.html
その2 http://www.rmc-chuo.jp/home/mt/archives/2006/06/20066_3.html

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 人手も資金も十分ではない中小企業が、「経営戦略と合致したホームページ」を作るにはどうしたらよいのか?これって、実はホームページという言葉を、他の言葉に置き換えて考えてみると、よくわかります。

 たとえば、「経営戦略と合致した人材育成はどうしたらいいのか?」と聞かれたら、皆さん、どのように答えますか?
 自社のあるべき姿を思い描きながら、適材適所の人員配置を心がけ、できる限りの育成をし、そして適正な評価・処遇をする・・・教科書的にはこんな感じですね。

1)経営者:「自社のあるべき姿」を打ち出す
2)人事部や各部署:「自社のあるべき姿」を実現できる社員を目標として、育成・評価・処遇をする

というように、社内のそれぞれの部署でそれぞれの人物がおのおのの役割を果たしています。1)・2)のどちらが欠けても目的は果たせません。また、1)のあるべき姿については、社員と経営者が討議しながら作り上げていく場合もあるでしょう。もちろん、経営者自身が社員育成に関わる時もあるでしょう。全社一体となって、経営戦略と合致した人材育成を展開していくのです。

 ホームページも、上記とまったく同じです。いや、ホームページだけでなく、新製品開発・業務改善など、企業活動のすべてがこの方式で考えられるはずです。

1.経営理念の確立からスタートしよう!
 まず、自社が「誰に、何を、どのように提供するのか」を明確にするところから、改めてスタートしてみましょう。自社の存在価値です。会社が目指すべき姿を設定することなしに、形だけのホームページを作ってもまったく意味がありません。
 形だけの成果主義導入、形だけのCS推進室設置・・・他社の外観だけを真似して、実際に効果があがっていない仕組みって、もしかしたら皆さんの会社にも存在していませんか?これは、ホームページもまったく一緒なのです。
 
 自社が何をもってこの業界に存在しているのか、お客様は自社に何を期待しているのか・・・改めて経営者自ら、そして社員全員で考え直してみましょう。
 しかしこの時、社員だけに考えさせて、経営者からは何も発信しないのでは、社内での求心力が不足します。ぜひ、経営者自らが自分の言葉で、この経営理念を繰り返し繰り返し語ることが大切です。


2.ホームページは営業戦略の一環としてとらえよう!
 人事制度でいうと、成果主義というのは数ある評価制度のひとつに過ぎませんよね。それが、「うちは成果主義だから」として、顕在化した結果だけを短絡的に評価するのでは、その社員は目先の数字だけを追いかけてしまいます。また、「全社目標と個人目標が本当に合致しているのか」という根本的なところができていなければ、そもそも評価の精度自体が疑われます。

 ホームページも同じなのです。たとえば、今年の営業戦略として「固定客の購買比率を高める」という目標が掲げられたとしましょう。そうしたら、営業員は、日常の仕事において、新規開拓よりも固定客の囲い込みに力をいれますよね。それなのに、ホームページでは「初めて購入した方は送料無料!」というキャンペーンをしていたら、どうなりますか?固定客の方は、「営業員が言っていることと、ホームページが違うな」と感じてしまうはずです。これではホームページ経由の注文が増えなくても当たり前です。
 他社がやっている新規顧客獲得キャンペーンを単純に真似して、自社の戦略と違ってしまうような事態にならないよう、十分に連動をこころがけてください。

 紙媒体とインターネット媒体の融合、人的な営業活動とホームページでの営業活動・・・連動すべきことはたくさんあります。ぜひ、ホームページを特別なものと思わず、普段の活動の一環に自然体で取り入れてみてください。


3.ホームページ更新は、営業・製造部署が担当しよう!
 社内での人材育成担当は、誰でしょう?集合教育を企画する人事部ですか?いえいえ、普段から実務をこなす部下を見ながら適切なOJT実施する上司の役割がとても大きいですよね。人事部に任せっきりで、自分の部署では何もしないなんて、絶対にありえません。
 では、かたやホームページはどうでしょうか?中小企業の場合、広報部のような独立したホームページ運営部署は存在しないことが一般的ですね。その場合、総務部が担当しているという会社が多いようです。
 でも総務部の方は、いわゆる管理部門。営業がどのような戦略で動いているのか、製造部門が何をアピールしたいのかなどを、体感しているわけではありません。この場合、「次はどんな企画を載せようか?」なんて総務部だけで勝手に考えていたり、もしくは営業・製造部門が何をしているかわからないから「何を更新したらいいのかわからないから放っておこう」という状況になってしまうのではないでしょうか。

 このための対策は、これしかない!それは、ホームページ更新の企画を、営業・製造部門が自ら立てることです。
 もちろん、社内全体の統一を図る、経営者の思いと融合させるなどの俯瞰的な理由で、最終的な更新を特定の部署(広報部や総務部等)が担当することは一向に差し支えありません。しかし、発信するべき情報は、実際にその仕事に携わっている方が一番良く知っています。
 人材育成を人事部にまかせっきりにしないことと、ホームページ更新を自分たちで企画することは、根っこは同じ。ぜひ、自分たち自身で、ホームページの企画を立ててみて下さい。それが、「地に足のついた営業ツール」としてのホームページを作る秘訣です。 
 

4.アクセス解析をして、PDCAサイクルを回そう!
 人事制度でいうと、育成・評価・処遇によって新たなポジションでの仕事が始まったら、また育成・評価・処遇を繰り返しますよね。これもホームページとまったく同じです。
 アクセス解析とは、簡単にいうと「自社サイトのどのページを、どんな人がいつ、何の目的で見に来たのか」という情報を提供してくれるものです。お客様満足が検索エンジンに入れたキーワードを確認できるため、お客様がどんな情報を求めてホームページを来訪してくださったのかがよくわかります。これによって、お客様のニーズを知り、さらにそのニーズに合致した情報を提供する・・・この繰り返しで、ホームページの情報精度が高まり、より多くのお客様を獲得できるようになっていくのです。
 この時に、単にお客様満足のニーズに合わせるだけでなく、自社の経営戦略を何度も確認しながらホームページをつくりかえていくことが大切です。
 たとえば、製造技術に自信がある企業なのに、「ホームページでは安価な商品を検索するお客様が多いから、低価格商品ばかりを充実させる」なんていうのは愚の骨頂ですね。この場合、お手軽価格で検索してくださったお客様が、より性能の良い高価格品にも興味を持っていただけるように、お客様のメールアドレスを集めてメールマガジンで紹介するなどの工夫が必要です。自社のあるべき姿(=経営戦略)をお客様にわかっていただくように、創意工夫を重ねていきましょう。


 こうして考えてくると、「ホームページって、なんだかよくわからない」「ITは苦手だから、やりたくない」と考えていた方がいらしても、普段の仕事ですでに取り組んでいることが、そのままホームページ作成にも反映することをお分かりいただけたと思います。

 ホームページ作成自体は、専門知識を持たなくても安価なツールを使えば、「ワードを扱うレベル」で誰でも簡単に取り組むことができる時代になりました。あとは、熱意と創意工夫です。ぜひ、ホームページを毛嫌いせずに、普段の仕事の一環として取り組んでみてください。その時、ホームページは単なる会社案内のWeb版ではなく、「自社の経営そのもの」として根付くことでしょう。
 皆さんの頑張りを期待しています!ぜひ、ホームページを有効に使いこなしていってください。

■長戸 美樹
中小企業診断士、ITコーディネータ
コンサルティングオフィスプロッシモ代表
中小企業診断協会東京支部中央支会常任理事、NPOちゅうおう経営支援(特定非営利活動法人東京都中央区中小企業経営支援センター)理事
イー・マネージ・コンサルティング協同組合、NPO法人埼玉ITCに所属
学校法人田中千代学園東京田中短期大学服飾造形学科ファッションビジネス専攻 非常勤講師(「起業論」「起業時のインターネット活用」担当)


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