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2006年9月28日
2006年度 第3回「知のホット・コーナー」
新会社法では会社の機関の設計など大幅な変更が行われました。これをいかに上手に使い、効率的・効果的な会社組織にしていくのは我々中小企業診断士の役割であります。今回、藤倉一巳会員から、関連税制を絡め、実務面からのポイントを発表していただきます。
○ 日 時 : 平成18年11月9日(木) 18:30~20:30
○ テーマ : 「診断士として押さえておきたい会社法の実務と税務」
○講 師 :税理士 藤倉 一巳会員(中央支会常任理事)
○会 場 : (社)中小企業診断協会 東京支部中央支会 事務所
<所在地>文京区小石川1-1-12 本間小石川ビル1F
○参加人数: 30名程度(先着順ですのでお早めにお申込み下さい)
○参加費 :(飲み物付)中央支会員 1,000円、中央支会員以外の方 2,000円
○申込要領 : (1)氏名、(2)所属支会名、(3)連絡先(メールアドレス及び電話番号)を明記してください。
○申込先 : eメールアドレス : 鳥海 孝あて eメールアドレス : tori@aan.alliednet.ne.jp
申込締切日 : 平成18年11月5日(日)
投稿者 info : 15:25
2006年9月27日
経営診断事例 経営計画とは「夢の設計図」(2006年10月)
< 経営計画とは「夢の設計図」 >
私はこれまで前職の関係もあり、多くの酒類卸売業の方々の経営支援をして来ました。酒類流通業界は、古い体質を持つ業界ですが、この10年間の不況とスーパー、コンビニエンスストア等のバイイングパワーにより、まさに構造変化を余儀なくされて来た経緯があります。
その中で、地場卸生き残り策としてのM&A等により、規模拡大を図り経営立て直し狙った例を全国でいくつも見て来ました。しかし、成功している例は少ないようです。
なぜでしょうか。それをD社の成功例を取り上げながら、共に考えてみたいと思います。
● 夢を描き出す力
訪問先の酒類卸で、いろいろな課題の相談を受けて来ました。財務診断に始まり、資金繰管理、顧客管理、セールス教育、IT導入、在庫削減、拠点統合、人事・賃金制度改訂、考課者訓練等、さまざまです。しかし、地場卸にお伺いしこれら課題に取り組むにあたって、何か足りないものを感じることが度々ありました。それは会社を貫く考えがもうひとつはっきりしない中で課題に取り組まざるを得なかったケースが多かったということです。
私:「御社の経営理念は何ですか。」、社長:「そこの額に書いてある。」
私:「いつ作られたものですか。」、社長:「創業以来の社訓だ。」
私:「では、社長ご自身の事業にかける夢はなんですか。」、社長「私の夢・・・?」
これはひとつの例ですが、大なり小なり、同じような反応が多かったように思います。
中小企業では、社長の夢=経営理念ですので、この軸がしっかりしていないと、上記のような課題にいくら取り組んでも一過性に終わってしまい、しばらく経ったら元に戻ってしまうということになります。現にお伺いした企業で、この基本軸が定まっていなかったため独自性が打ち出せず、大手卸に吸収されたり、廃業せざるを得なくなった地場卸が多くあります。業界を取り巻く変化が激しく、生き残れるかどうかの瀬戸際に立たされた場合こそ必要なものが、「社長の夢」であります。
D社もその地方における大手の地場卸でした。しかしご多分にもれず、旧態依然たる経営体質のままで、私が訪問した際には債務超過寸前という悲惨な状態でした。お伺いしたきっかけは、資金繰り改善のため、在庫削減や配送アウトソーシングの検討等、いわゆる物流コスト削減のご依頼でした。当時の社長のご子息であった専務が相談窓口でした。
上記課題の解決策の見通しが、ある程度立って来たときのことでした。
専務:「実はこれ以外に折入って相談したいことがあります。」、私:「何ですか。」
専務:「会社自体の行く末のことです。」、私:「専務はどうようにお考えですか。」
専務:「私はある夢を持っています。」、私:「ぜひ、お聞かせ下さい。」
これが、D社の会社再構築のスタートでした。この後、専務(後の社長)と何回も「夢」について語り合い、これを経営戦略や具体的な経営計画に落とし込んで行きました。
「夢」の実現のためには、荒粗療治が必要でした。支店を閉鎖し、広域卸に卸免許共々商圏を譲りました。その条件は社員を引き取ってもらうことです。社員は一旦全員解雇。本店の社員も移籍を希望する者は全員を引き取ってもらいました。そして、専務の「夢」に賛同した者だけを、改めて雇用し直したのです。ビールの特約店契約も解約しました。そして「輸入ワインと地酒の専門商社」としての再スタートが始まったのです。
● 夢を語る情熱
会社の名前も改め、社長も交替し専務が社長となりました。幸いにして社長の「夢」に共感した優秀な社員が何人も残ってくれました。ここで大事なことが「夢を語る情熱」だと思います。
お客様・社員が読んで分かり易い「夢」を凝縮した経営理念も、社長と一緒に考え作成し直しました。でもいくらいい文章ができても、それに魂を込めるのは、やはり社長の情熱です。D社の場合は、名刺の裏にその経営理念を印刷し、会う方々に自社の「夢」をアッピールしています。その甲斐あって、新進気鋭の料飲店チェーンにワインをお取り扱い頂いたり、各所にD社ワインのファンを作りつつあります。
社員も当初のメンバーに加え、現在は社長の「夢」に共鳴した某有名レストラン・ホテルのソムリエ数名が入社したり、フランス人の方も入社したりで、多士済々な顔ぶれをなしています。
まさに社長の「夢」にかける思いが、人を呼んでいる格好の例と思います。
● 夢を忘れない粘り強さ
ただし、一時のワインブームが去った今、今後着実に売上を伸ばしていくためには、商品の開発、お客様の開拓に関する不断の努力が求められます。D社も自社ブランドのワインをフランスのワイナリーと契約して輸入していますが、取引単位がコンテナ単位となるため、実際に売れて資金が回収できるまで、かなりの負担を強いられることになります。
最近、販路を求めて、東京へもオフィスを設けられました。私も東京で関係する機関が新年会等パーティーを開催する際は、できるだけD社ワインを扱って頂けるよう協力依頼をさせて頂いています。がんばっているクライアントには、できる限りの支援をして差し上げたいと思っています。これもまた、私自身が「夢」の実現の当事者の一人であり続けたいという熱い思いの現われなのかもしれません。
● 夢がキーワード
現在業績のいい会社も、明日はどうなるか分からない世の中です。りっぱな経営計画が仮にあったとしても、それは過去に作られた計画です。本当の生きた計画は、社長の頭の中にあるものです。大概は混沌とした夢の世界の出来事です。しかし、夢がなければ実現しようがないのも事実です。私は、経営コンサルタントとして、その社長の「夢」を形あるものに変えていくことを、私自身の「夢」としています。
「組織は戦略に従う。」という言葉がありますが、それに加え「戦略は夢から生まれる。」といえるのではないでしょうか。
□井上 康由(いのうえ やすゆき)
アイ・コンサルティング 代表
中小企業診断士、社会保険労務士、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
(社)中小企業診断協会 東京支部 理事、同支部 中央支会 常任理事 会員部長
投稿者 info : 07:23
専門家コラム 「研究開発機器導入に関し持つべき視点」(2006年10月)
< 研究開発機器導入に関し持つべき視点 >
■ はじめに
研究開発に使用される分析機器を初めとする各種機器の導入は、生産に使用する場合に比較し投資効果を明確に判断する事が難しい一方で、研究開発型製造業にとっては研究開発に投資する事は生命線でもあり、それなりのコスト、判断も必要とされる。各種機器の導入においては最大限の効果、とりわけ自社技術力・生産力の強化に繋がる様な成果を得ることが最大の目的である。導入後即座に効果が得られる場合もあれば、十数年に渡り使用し続けるものでもある。そのため、機器選定・導入時においては必要な視点をしっかり定めて行う必要がある。
■ 導入を決定する前に・・・
最低でも今後1年、出来れば10年程度のスパンで「今後の自社の技術をどうして行くのか?どんな技術を今後開発・取り入れていく必要があるのか?」といった技術戦略について、構築・検討しておく事がまず必要である。この点がはっきりしていれば、検討を進める段階で得られる様々な情報を基にして機種を選定する際のよりどころになる。検討開始後に「思惑と違う(導入効果が得られる見通しが立たなくなるなど)」結果が出てくることはままあることであり、そのような場合においても一度立ち止まって検証するのに大いに役立つ。
また、研究開発機器の導入においては「機器を導入・購入する」事が目的でなく、本来「技術を強化する手段を手に入れる」事が目的であることを忘れてはならない。当然ながら、「機器を購入・導入する」方法以外にも
・ 社外共同研究者に分析を依頼・借用する
・ 公立機関に分析を依頼・借用する
・ 受託分析会社に依頼する
等、世にある様々な方法をとることが可能である。各々の手法についてメリット・デメリットがあり、当然ながらかかるコストも大きく変動する。
技術戦略の中でその必要性が認められた上で、さらに想定される使用頻度、機密性、利用のし易さを考慮し、機器導入の可否を決定する。
■ 検討すべき視点
検討すべき視点としては主に下記に挙げたとおりであるが、各項目の内容・重要度についてはその時企業がおかれている状況等によって変わるべきである。なお、機種毎の比較の際には、各視点から見た機種毎の比較表を作成し、点数付けによる明確な比較を行うことが基本となる。比較表作成により以下に述べるような各種視点の見落としもなくなり、担当者以外の周囲のメンバー、上司に対しても理解しやすい選定を行うことが可能となる。また、重要度についてはその中で重み付けすることにより反映できる。
1.機器性能の視点
当然ながら、導入する為にはその目的を果たすことが必要最低条件になる。しかしながら、特に分析装置の場合にありがちなのだがどうしても機能面において「あれもこれも」と目的を増やすことになりやすく、その結果本来の導入の目的・解決したい項目がかすんだまま検討を進め、後々後悔する事例がまれでなく見受けられる。目的としての機能については優先順位をつけ検討し、「あればいいね」的な機能は考慮に入れない事が良好な結果に結びつく。機能を付加することで初期コストが大きく異なるような場合には、前項でも記載したような機器導入+外部受託の手法を検討することも一手である。
2.使い勝手の視点
多くの場合、高額機器でもあることから導入後複数の部署・人員に使用される。そのため操作が複雑でないこと、壊れにくいこと、使用後のメインテナンスが簡便であることは現在の分析装置において必須事項となっている。使い勝手の悪さは導入後コストの上昇に直結するだけでなく、研究者の分析意欲減衰をもたらすことが多く、最後には置物と化し導入の意味を失わせる可能性をはらむ。
3.サポートの視点
近年の機器は以前に比べ故障頻度は低下しつつあるが、それでも必ずチェックが必要な項目であることには変わりはない。サービス体制、部品在庫の多少が通常挙げられるが、機器の機能が高度化するに伴い非故障時のサポート(使用方法やデータ解釈に対する説明)についてもどのような体制をとっているかも重要な視点となりつつある。
4.環境面に関する視点
かつては(今でもそうだが)性能が第一でありこのような視点はあまりなかったが、有機溶剤等有害物質の使用量、廃棄物の多少は今では重要な項目として挙げられる。廃棄物の処理コストも使用頻度によっては無視できない。この視点は機器の設計思想に因る部分が多く、機種毎の差が出ることも多い。「粉塵・臭気が発生したりしないか、安全に使用できるか?」といった、使用者に対する安全性・労働環境に対する点も含まれる。
5.機器ユーザーの視点
可能であれば、現在同様の機器を使用しているユーザーの話を聞くことは大いに有効である。機器を提案している業者から必要な情報を得るのは当然だが、やはり同じ視点で実際に使用している人間のコメントから得るものは多い。
ただ、使用状況が異なればまた視点も変わるため、話を聞くユーザーと自分が想定している使用方法が同様の状況にあるかについては、注意が必要である。
6.価格に関する視点
出来うる限り安価な方が良いが、これまで挙げてきた視点において一定の評価を得た上での話になる。ランニングコストが高かったり、使い勝手の悪さにかかる工数は年数が経つほど増大し、多少の初期コストの差はあっという間に飲み込んでしまう。
■ 担当者は機会を生かす
選定に携わる担当者にとって、高額な分析機器の導入検討に携わる場面はそう多くないのが通常である。選定業務を担当することは、自社にとって最大の効果を発揮するものを選ぶ責任を負うが、合わせて業者などとの接点を持つことにより外部の同業種や他業種の情報を得る良い機会でもある。論文・雑誌等で得られない業界情報などを得ることができるのはもちろんの事、業務上での課題解決につながる事もしばしばある。むしろ積極的に情報を収集する機会と捕らえるべきである。
■ 選定・導入後に
導入後は管理担当者を設定し定期的な精度管理を実施することはもちろんであるが、できれば年に一度でも点検等の機会を作り、メーカー担当者とのコミュニケーションをとっておくべきである。機器故障時のコストを未然に下げるだけでなく、使用方法の確認や最新情報を収集することが出来るなど、メリットは多い。
■ 終わりに
研究開発機器の導入については、その投資効果を評価することが簡単ではない。その中でも、導入の決定・機種の選定時にしっかりとした道筋に従って評価することが、得られる効果のかなりの部分を決定する。自社の今後柱としていく技術戦略をしっかり描いた上で、近視的にならずに様々な視点で評価し、自社に合った機器を選択してほしい。
□鳥居 経芳
中小企業診断士
中小企業診断協会東京支部中央支会所属
投稿者 info : 07:04
2006年9月25日
専門家コラム 「社員教育の勘所」(2006年10月)
<「社員教育の勘所」>
1.「衣食足りて礼節を知る」は未成熟社会での概念
「衣食足りて礼節を知る」とは、「生活に余裕ができて初めて礼儀や節度をわきまえられるようになる」という意味で、中国春秋時代の斉(せい)の参謀管仲 ( かんちゅう: ?~紀元前645年) がその著書「 管子」で述べた言葉です。企業経営に置き換えると「創業して数年経ち、なんとか事業の目処がつくと、ようやく社会で一人前として付き合うことにも気を回すようになる」とでも言うことになるのでしょうか。事業を起こし経営するのは、それほどに大変なことですが、市場・顧客に受け入れられて継続的に成長するには、社会の一員として貢献することが欠かせません(=顧客・従業員・取引業者・地域社会・国への責務の遂行と満足を提供すること)。
しかし、事業がどうにか成り立つようになってから、そこで社会に貢献する一員(一人前)としてのあり方を考えるので良いのでしょうか。社会が未成熟であった時代はともかく、今日のように多様化と変化に富み成熟した社会では、明らかにそれでは遅いと言うべきでしょう。すなわち、企業のマネジメントには「衣食追求と共に礼節を学び現す」という視点が大事です。これが出来るかどうかが事業成否の分水嶺になります。
2.礼節は一朝一夕では身につかない
これについて、組織論の視点から見てみましょう。
組織の基本要素は「3S」とよく言われます。Structure(組織構造)、System(業務遂行の仕組)、Staffing(人材配置)です。しかし組織力を発揮するには、これ等を取り巻き目に見えないCulture(企業文化、企業風土)の存在を見逃してはいけません(右図)。組織変更をした場合に、トップの命令で3Sは今日からでも変えることが出来ますが、肝心の社員の気持ちがトップの思いと一致しているか(変わっているか)は、はなはだ疑問です。そこには人の気持ちをベースとした組織風土・習慣があり、これの方向転換は一朝一夕ではできないからです。これがまさに「衣食足りて礼節を知る」では遅いと言う理由です。そのため、企業の理念とビジョンを常に明らかにし、「利益を出すことを通じて社会に貢献する企業風土」を初めから作り上げていく心掛けが、経営者には求められるのです。
3.業務の機能・特性に応じた社員教育の勘所
では礼節を学び現すには、企業の理念とビジョンを成文化し、スローガンや戦略を壁に張れば良いのでしょうか。あるいは、最近流行の「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)」なるものについて勉強でもすればいいのでしょうか。それらが無益とは言いませんが、それよりも経営者が自分の行動を通じて、もっと直接的・日常的に社員に礼節を教え、わきまえさせるのが基本ではないでしょうか。そのやり方で、私が事あるごとに企業の経営幹部の方々にお話しているちょっとした方法をご紹介します。いわば、社員教育の勘所です。
経営者が会社をマネジメントする時に、単に一つのスタイルで行えば良いというものではありません。事業はそれほど単純でなく簡単でもありません。会社が目指す理念・ビジョンをベースにして、様々な業務の機能や特性に応じてマネジメントのコンセプト(勘所)を変えていく必要があります。
ここでは、業務の機能・特性を大きく以下の4つに分類して考えてみましょう。
D(Development):新事業の企画・開発や新製品の開発・設計などの創造的業務
Q(Quality Improvement):製品やサービス、内部業務の品質改善活動
M(Money):会計・経理やコストなど金銭・損益にまつわる業務
S(Speed):スピードや生産性向上が重要な生産・販売などの基幹業務
そして、マネジメントのコンセプトは、次の2つの切り口で括ると分かりやすいでしょう。
業務管理スタイル:(1)厳しい管理(緊張感を持たせることを狙いとし、指揮命令や強制的な管理)を行う側面と、(2)緩い管理(誉めることによって、主体性や自発的な活動を促すような管理)を行う側面
業務遂行の仕組み:(1)規程や規則、手順書を整備し、間違いのない業務遂行を狙う側面(狭い自由度:正確性、効率性の追求)と、(2)自由裁量や柔軟性を重視し、創造性を発揮させる側面(広い自由度:高品質や高効果性を期待)
下図は、4つの業務機能をマネジメントのコンセプトの切り口(2つの軸、4つの象限)にマッピングしたものです。
【Dの領域:仕事のやり方は自由に、ただし方向性とその進捗はしっかり管理】
一般に、開発・設計あるいは企画業務に携わる者は、モチベーションが高く主体性や自主性を持っている場合が多い。そのため、仕事のやり方において彼らの創造性を阻害するような制約を与えることはしない方が良い。ただし、彼らが自由にやっている方向が、理念・ビジョンの方向性と合っているかどうかや、時間的な進捗がどうかなどについては、しっかりと管理していく必要がある。
【Qの領域:現場での小さな改善の積み重ねが貴重。自由にやらせて、成果を誉める】
品質にまつわる業務は、品質基準や品質標準としてルール化されていることが重要であるが、それで万全とはいえない。また製品やサービスに限らず、日々の内部業務にも必ず外乱や変動が入り込み、画一的な処理では済まされないことが多い。現場の主体性と自由裁量による日々改善の気風が重要であり、経営者にはこれを奨励する意識が必要である。これの代表的な例が小集団活動(QCサークル)である。
【Mの領域:仕組と管理を厳格に。この領域での問題発生の原因は経営者自身の緩みにある】
金銭、コスト、収益などにまつわる業務は、利益追求という企業の基本命題に関わるものであり、管理は厳格にし、その仕組みも緩みのないものにしておくことが重要である。ここに甘さや緩みがあると誤りや不正を誘引することになり、その責任は全て経営者にあると心得ておかないといけない。
【Sの領域:効率の面から仕組みの整備を図り、効果の面で社員の意欲高揚を心がける】
競争の時代にあって、業務のスピードや生産性の高さが勝敗の鍵となるのは誰もが知っていよう。この領域のマネジメントは、(1)いかに効率的に業務処理ができるような仕組みを提供しているかと、(2)社員が高い意欲・モラルをもって仕事に当たるような意識付けをしているかである。前向きな気持ちで仕事をするのと、いやいやながら行うのでは、そのスピードと質に格段の差が出ることは容易に想像できる。
上記のように、業務機能に応じて「仕組みの自由度」と「管理の厳しさ」のバランスを取り、その機能の責務を適切に果たせるように社員を育てていくことが経営者の最大の任務ではなしでしょうか。
前に戻って「礼節」とは、一般には人との付き合い・コミュニケーションにおける正しく節度あるマナーを意味しますが、企業にとっての「礼節」とは、前述のように「社会の一員として貢献すること」です。企業の継続的成長には、経済がボーダーレスな今日においてはなおさら礼節を持った社会の一員としての「信頼」をベースにした活動が求められます。そしてそれは、与えられた業務の責務を日々の活動の中できちんと果たしていけるように社員を適切に教育しているかどうかで決まります。失われた10年(20年?)を経て、再び日本経済の復活と発展の機会が訪れつつあることを認識し、旺盛なチャレンジ精神の発揮と堅実な内部体力づくりに励む時ではないでしょうか。それに際して、ここにご紹介したことが少しでもご参考になれば幸いです。
■河野 誠(こうのまこと)
konom@topaz.plala.or.jp
有限会社リアルプロセス研究所 代表取締役
株式会社ワールド・ビジネス・アソシエイツ 取締役
中小企業診断士、ITコーディネータ、e-BATファシリテータ
投稿者 info : 00:29
2006年9月21日
原田 敏明
ピー・エス・シー(株)
投稿者 info : 00:12
2006年9月17日
専門家コラム 「カスタマーマーケティング」(2006年10月)
<カスタマーマーケティング>
チェーン志向小売業に身を置いてきて感じたことは、やはり顧客の変化について行けなければ小売業は存在し得ないということである。
今まではドライ商法としてセルフサービスで、効率中心に品揃えを考えて来たが、これからは顧客の特定分野のライフスタイルを提案できる専門店・地縁店にならなければ商売が成り立たないであろう。
カスタマーとはわが店に来ることが習慣になっている常連客のニュアンスであり、顧客が特定できるから品揃えも奥深くできることになる。支店単位の地域にも地域性を認める仕組みを持ち、その地域の顧客と共に成長するべきである。どこでもある商品の安売りではなく、顧客の生活に必要なものを開発しながら、オンリーワンの品揃えを目指す。また顧客の相談にのれる問題解決型の販売を望ましい。
その結果、顧客にわが店のイメージづけが出来、目的来店性が生まれる。この比較表を見ながら、カスタマーマーケティング発想をヒントに、新しい店作りを目指して頂きたいと思う。


■松波 道廣(まつなみ みちひろ)
中小企業診断士
社団法人日本コンピュータシステム販売店協会専務理事
秋葉原西口商店街振興組合 理事
前ラオックス株式会社 取締役 秋葉原統括部長
投稿者 info : 21:03
2006年9月 5日
中小企業診断士(経営コンサルタント)による経営に役立つ無料セミナー開催のご案内
事業者の皆様へ
日頃は中小企業診断協会東京支部中央支会の活動にいろいろとご支援賜り、厚く御礼申し上げます。このたびは、当会主催の「中小企業診断士(経営コンサルタント)による経営に役立つ無料セミナー」のご案内です。
(社)中小企業診断協会東京支部中央支会は、事業者の皆様に中小企業診断士の活動内容を紹介し、皆様の事業経営に役立つ情報を提供することを目的に、毎年、ビジネス創造活動を企画・実施しています。今年度も、平成19年3月6日(火)にビジネス創造フェアを開催すべく、準備を進めております。
⇒ 昨年のビジネス創造フェアの様子は、以下のURLよりご覧ください。
http://www.rmc-chuo.jp/home/mt/archives/2006/03/post_140.html
さらに今年度は、ビジネス創造フェアに先だって、事業者に皆様にとって身近なテーマで「経営セミナー」を何回か開催し、事業者の皆様への情報提供、事業者の>皆様との意見交換を行う企画を立てました。
詳細は下記の通りとなっておりますので、ぜひご参加くださいますよう、お待ちしております。
1.日時
第1回セミナー 2006年10月24日(火)午後6:30~8:30
2.場所
(社)中小企業診断協会東京支部中央支会 事務所
〒112-0002 東京都文京区小石川1-1-12 本間小石川ビル1F
* 都営三田線「春日」駅A3出口から都民銀行の脇を入ってすぐのところ
* 他の最寄り駅は丸ノ内線、南北線「後楽園」、都営大江戸線「春日」。
地図詳細 ⇒ http://www.rmc-chuo.jp/home/mt/archives/2004/10/post_6.html
3.セミナー概要
(1)テーマ「製造業における情報セキュリティの重要性」
講師:小野修一(有限会社 ビジネス情報コンサルティング代表取締役、中小企業診断士)
http://www.business-ic.jp
(2)テーマ「製造業・こうすれば新規開拓が成功する!」
講師:田中浩(ヒロ・マネジメント代表、中小企業診断士)
http://www.hiro-management.jp
(3)セミナー後に質疑応答、懇親会
4.参加料:無料
5.申し込み方法
以下の内容をご記入の上、(1) FAX (2)電子メールにてお申し込みください。
FAXあて先:03-5705-0580 電子メールあて先:bf@rmc-chuo.jp
* FAXでのお申し込みは、以下の申込用紙をダウンロードいただき、ご使用いただいても結構です。
2006年10月24日経営セミナーご案内(ワードファイル:36KB)
会社名:
役職:
氏名:
年齢:
TEL:
電子メール:
住所:
* 本セミナーへの申込みにより収集する個人情報は、セミナーの実施などに関するご連絡以外には使用いたしません
* なお、今後の予定は、以下のとおりです。
第2回・2006年12月4日(月)、第3回・2007年度2月8日(木)
投稿者 info : 09:40
2006年9月 3日
2006年秋季交流会・新入会員歓迎会 青年部主催セミナー「企業内診断士 vs 経営者&プロコン 本音対論!」~経営者が求める真の診断士とは~
晴れて診断士になったあなた、既に診断士のあなた、診断士になって何か変わりましたか? 変えましたか?
中小企業診断士は、チャレンジする経営者のパートナー、サポーターです。
今回私たちは、診断士としての活動に壁を感じていたり、活動自体どういうものなのかわからないと感じている方に、実際の経営者や第一線のプロ診断士がヒントや気づきを与えてくれる機会を作りました。新米診断士が、皆さんの立場で皆さんに代わって、どんどん思いをぶつけます。
このセミナーに参加して、是非、それぞれの疑問や不安を解消し、本当の診断士としての活動を始めてみませんか?
日時:2006年10月28日(土)15:00~16:30
※ 秋季交流会・新入会員歓迎会 第2部
※ 参加申し込み方法等は、以下のURLにてご確認ください。
http://www.rmc-chuo.jp/home/mt/archives/2006/08/2006_6.html
場所:フォーラム8 10階(渋谷区道玄坂2-10-7)
パネラー
<経営者>
村山誠一郎氏(有限会社ドルザック 代表)
常盤良彦氏(とん勝レストラン「Cook Fan」代表)
<プロ診断士>
田中浩氏(ヒロ・マネジメント代表)
鴨志田栄子氏(CSマネジメントオフィス代表)
<企業内診断士 >
原千津氏(人事関連サービス勤務)
朝香裕一氏(電気メーカー勤務)
<コーディネータ>
銘苅康弘(青年部)
対論テーマ(予定)
Q1.診断士手帳に示す報酬に値するコンサルとは
Q2.経営者から見た週末診断士(兼業)とは
Q3.なぜ、診断士に依頼したのか
Q4.有償のコンサルとはどこから(無償対応はどこまで)
Q5.正直、役立った指導・役に立たなかった指導とは
投稿者 info : 14:19
2006年9月 2日
専門家コラム 「仕事とは、あるべき姿を語ることではなく、「あるべき姿を実現すること」(2006年9月)
<仕事とは、あるべき姿を語ることではなく、「あるべき姿を実現すること」>
私たちは、「あるべき姿を語り、書き、伝える」こと、あるいは「部下を指示、指導する」ことを仕事と思っていないだろうか。「こんなに明確に指示しているのに受け入れようとしない」「これほど懸命に指導しているのに理解しようとしない」「やれといっているのにやらない」といって嘆いていないだろうか。
指示するには指示することの目的があり、目指す目標がある。指導には指導の狙いがあり、期待する成果・結果がある。嘆くべきは、相手が「受け入れようとしない」「理解しようとしない」「やらない」ことではなく、「受け入れさせ、理解させ、やらせることのできない自分の無力さ、無能さ」ではないだろうか。「あるべき姿を語った」かどうかの前に、「何のために、指示や指導を行い、どうなったのか」、期待する成果・結果を実現したのかどうかを検証しなければならない。企業経営のマネジメントにおいては、指示・指導の結果、相手がそれを達成し期待するレベルを実現したのかどうか、つまり、その目的(何のために)を果たして期待する成果・結果を実現してこそナンボなのである。
「経営する」「仕事をする」とは価値を生み出すこと、価値創造である。マネジメントを通して私たちが働きかける相手側の視点からみて、「価値を生み出したのかどうか」の検証に耐えてこそ「価値創造」ということができ、「仕事をした」ことになる。とすれば、「あるべき姿を語る」のも悪くはないが、そこに留まってはならない。経営者は、あるべき姿を語るのではなく、「あるべき姿を実現する」ことが仕事であり経営することなのである。
「仕事とはあるべき姿を実現すること」の観点に立つと、これまでと違って見えてくることがある。たとえば、経営者にとっては「正しいことを言うことは正しくない、正しいことを実現することが正しい」ことになる。正しいことを言えば人が動くわけではない。「自由に意見・提案をしろ」ということは正しいが、意見・提案が出てくる保証はない。自由に意見・提案をしてもらえる関係があるかどうかが問題なのだ。人は正しいかどうかで動くのでなく、その人を好きだからこそ、信頼しているからこそ、自分を受け入れてくれる人が言うことだからこそ、笑顔が出る関係があるからこそ、よく聴き、動くのである。
対話・コミュニケーションによって互いの不信・不安・不満をなくし、理解しあい信頼を生み育ててこそ、協力しあい許しあえる関係をつくり拡げることができる。協力しあい許しあえる関係が組織力である。組織力のない組織では、相手を指差して「やるべきことをやらないお前が悪い」とあるべき姿でものをいう「あるべき論」が幅を利かす。「あるべき論」は人に言うことではなく、自分に向けて言うことなのだ。経営者の仕事は期待するレベルまで組織力を向上させることである。指は相手に向けるのではなく、自分に向けたいものである。
■倉辺 喜一郎(くらべ きいちろう)
東北大学法学部卒。2000年独立。中央支会「課題達成型」目標管理マスターコース代表幹事。著書に「IT時代の『課題達成型』目標管理」(共著)、「業績向上・業務改善『戦略ツール200』」(共著)など多数。現在、目標管理・人事評価・経営改革コンサルティングを中心に活動。経営創研(株)人事コンサルグループ長。
投稿者 info : 09:39