岩渕 晋明
< 改正省エネ法 (輸送に係わる措置)について >
京都議定書に基づく改正省エネ法が18年4月に施行され、「工場・事業場に係わる措置」をはじめとして、5つの措置が公表されています。そのうち「輸送に係わる措置」についてポイントを紹介します。
1.改正のポイント
一定以上の輸送能力を有する輸送事業者(特定輸送事業者)及び荷主(特定荷主)は省エネ計画の作成、エネルギー使用量等の定期報告が義務づけられます。管轄官庁は前者が国土交通省、後者が経済産業省になります。判断基準に照らし著しく不十分であるときには大臣の勧告、公表、命令、罰則が法令で定められています。
2.特定輸送事業者の判断基準と努力義務
1)特定輸送事業者の範囲
国内の各地間において、他人又は自らの貨物を輸送している者及び旅客を輸送している者のうち、輸送区分ごとに保有する輸送能力が下記基準に該当する事業者。
・鉄道300両
・トラック200台、バス200台、タクシー350台、
・船舶2万総トン(総船腹量)、
・航空9千トン(総最大離陸重量)
2)求められる事項
特定事業者は、a.輸送事業者ごとにエネルギー消費原単位を中長期的に見て年平均1%以上低減させることを目標とすること、b.省エネへの取組み方針の策定や省エネ対策責任者の設置、推進体制の整備、c.自動車であれば、低燃費車両の導入、運転者教育、エコドライブの推進、共同油配送の実施等による積載率の向上実施に努めること、等が判断基準として公表されています。
3)報告
a.中長期計画の提出義務
3~5年程度の期間をもって取り組む中長期的な省エネ対策について、その計画を毎年度提出します。
b.エネルギー使用状況等の定期報告
エネルギー使用量、エネルギー使用の状況、省エネ対策の実施状況等に関して毎年報告します。
3.特定荷主の判断基準と努力義務
1)特定荷主の範囲
自らの事業活動に伴って委託あるいは自ら輸送している貨物の輸送量が3,000万トンキロ以上の事業者は特定荷主として以下の義務を負います。
(トンキロ=トン(荷物重量)×キロ(輸送距離))
2)求められる事項
省エネ責任者の設置、社内研修の実施、モーダルシフトの推進、共同輸送の実施などの取組により、エネルギー消費原単位を中長期的に見て年平均1%以上低減させることを目標とすることが求められます。
3)報告
a.中長期計画の提出義務
3~5年程度の期間をもって取り組む中長期的な省エネ対策について、その計画を毎年度提出します。
b.エネルギー使用状況等の定期報告
エネルギー消費量、エネルギー消費原単位、省エネ対策の実施状況等に関して毎年報告します。
4.今後のスケジュール
1)輸送事業者
特定輸送事業者の指定を受けた場合は、平成19年6月末までに平成18年度実績の「定期報告」及び平成19年度の中長期計画を提出します。
2)荷主
輸送量が3、000トンキロ以上の場合は、平成19年4月末までに輸送量の届け出を行います。また、特定荷主の指定を受けた場合は平成19年9月末までに「計画」「定期報告」を提出しなければなりません。
条件に照らして、特定輸送事業者、特定荷主に該当する事業者の方は、今から準備されることをお勧めします。
□岩渕 晋明
中小企業診断士、キャリアコンサルタント、
カラーコーディネーター1級(商品色彩)