浜田 悟
< 現場力の復活に向けて >
先日、ある社長が「最近のやつらと言ったら、何でもかんでも指示を仰いでくるんだから…」とぼやいていました。「言われたことは程々にやるんだけれど、自分の頭を使ってそれ以上のことはやろうとしない」こんな従業員像を描かれている社長さんも多いのではないでしょうか?
そう、私も、最近は「自分で感じ、自分で考え、自分で行動する社員さんが減ったなあ」と感じている1人です。バブルがはじけて十数年、ほんとに現場の力が落ちてきてしまったなあ、と思います。何故でしょうか?
色々考えた私の結論は「QCサークル活動を止めてしまったから」に落ち着きました。私もQCサークル活動に参加した口です。当時は面倒くさくてイヤでした。でも、今、改めて見直してみると、データの取り方や分析のしかた、パレート図や特性要因図の使い方、ミーティングの進め方、喧嘩にならない発言の仕方、プレゼンの仕方、等々をそこで学んでいた気がします。自分たちのデータを使って自分たちの事を分析していくのですから身につきます(身につまされると言った方が正解かも…)。先輩から色々なことを学んでいました。リーダーになればチームをまとめつつ結論を出さなければなりません。おのずとチームマネジメントを学んでいたことになります。QCサークルを通じて、技術や知恵の伝承を受け、皆で仕事の改善に取り組み、仲間意識を醸成して成果を分かち合っていました。そこには、現代のような疎外感やメンタルな落ち込みも無かった気がします。皆が前向きに言いたいことを論じ合う。そんな活気がありました。
最近の人を見ていると、パーテーションで仕切られた机に向かい、IT化で自動収集されたデータを前に一人でパソコンと格闘している。時間的余裕が無いため当然の如く、隣同士の会話が無く、ミーティングでの議論も無く、情報の共有も無い。目標管理制度や成果主義の下で、与えられた仕事だけをそつなくこなしていく。目先の利益を求め、人件費削減や効率化の名の下に、作業者としての仕事しかさせてもらえない。そんな孤立した仕事の仕方をしている人が多くいるような気がします。話をしても、チャレジ性やフレキシビリティー、成長感を持って仕事をしている人が少ないように思います。
好業績を続けている会社は、将来利益を目指して人材の育成に力を入れています。難しいマネジメント理論やマネジメント手法はいりません。もう一度現場にQCサークルを復活させて見ませんか!80年代は労働時間外の活動でしたが、今はそうは行きません。週に1~2時間、QCサークルの時間を設けて活動してみませんか?きっと1年で活力があり現場力にあふれた職場がよみがえると思います。
□浜田 悟
CS研究所 所長
日産自動車株式会社を経て経営コンサルタントとして独立、CS研究所 所長、中小企業診断士。
経営コンサルの一環として人材育成から営業マン指導、マネジャー教育等を中心に活動している。