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専門家コラム 「利益を生み出す行動とは?」(2007年10月)
齊藤 徹

< 「利益を生み出す行動とは?」 >

 「忙しい、忙しい」と言って、終始飛び回っているビジネスマンがいますが、必ずしも効率的な活動=利益を生み出す行動をしているとは限りません。果たして企業の業績に貢献する行動とは何でしょうか?ここでは「利益を生み出す行動」に焦点を当てて考えてみたいと思います。

 ある企業で営業マン指導を依頼されました。その企業は営業マンの人数も少なく、得意先訪問、クレーム対応、商品発送、伝票発行などのほぼ全ての業務を営業マンが行っていました。そこで1人の営業マンに「あなたの行わなければならない業務は何ですか?」と質問すると、「営業なので、得意先に行って商談することが重要なのはわかっているのですが、時間がなくて困っているんです。」という答えが返ってきました。
 そこで「それでは、何をする時間を減らすと、得意先を訪問することができますか?」と尋ねると、「商品発送や伝票処理に時間をとられているので、それらの業務の時間が減ると得意先へ訪問できる時間が増えるかもしれません。」とのことでした。そして更に「商品発送や伝票処理にどのくらいの時間を割いていますか?」と質問しました。その営業マンは「相当な時間だとは思いますが、詳しくはわかりません。」とのことでした。

 その営業マンは自分のやらなければならないことは何となくわかっていますが、何をどのように改善したらよいかわからない状況でした。営業マンに限らずこのような例は多いのではないでしょうか。

 そこで実際の日常業務の中でどのような業務が価値を生み、自分はその業務をどれくらい行っているのかを認識してもらう必要があります。またその認識をさせたうえで、本来行わなければならない「利益を生み出す行動」へシフトさせることが必要と考えます。

 具体的には下記のような方策となります。
 
1.業務内容の定義付け
 「その業務は利益を生み出す業務ですか?」という基準のもとに

 (1)利益を生み出す具体的な業務
 (2)利益を生み出す業務に付随する具体的業務
 (3)コストだけが発生して利益を生み出さない具体的業務

 の3種類に業務を分けて、日々の具体的業務が(1)~(3)のどの業務にあたるのかを明確に
 して、業務に対する意識付けを行います。

2.業務改善の方向性
 1であげた業務をどのようにしていくかを判断します。当然(1)の利益を生み出す具体的な業務は積極的に行っていくことになりますが、(2)と(3)の業務の中で削減できるものや、統合できる業務がないかを判断してどのように改善するかを決定しなければなりません。

3.具体的業務に対する時間配分の現状認識
 1の(1)~(3)に分けた具体的業務に対して、どのくらい時間を費やしているかを抽出します。これは個人毎に月単位で行うと個人の特性が見えてくることになります。また個人に自己申告で行ってもらうことになりますので、評価の対象としないことを前提に行わないと、実態が見えてこない場合がありますので注意が必要です。

 ここでどの程度「利益を生み出す行動」を行っているかが明らかになります。「忙しい、忙しい」と言っている営業マンほど、付加価値を生み出さない業務に多くの時間を掛けているかが明確になるケースもあります。

4.付加価値生み出す行動へのシフト
 以上を明らかにしたうえで、利益を生み出す業務へ行動をシフトすることとします。要は、利益を生み出さない業務に掛ける時間を削減して、利益を生み出す業務に費やす時間を増やしていくことが必要です。

 以上のことは営業マンだけではなく、製造現場の生産管理など職種を選ばずに言えることです。「何となく効率があがらない」、「毎日忙しいのだけれども業績があがらない」という企業の皆さん、世の中の誰しもに平等に与えられているものが時間です。その時間を効果的に使えるかどうかが利益を生み出せるかの重要なファクターとなります。

 利益を生み出す業務と利益を生み出さない業務を明確にして、利益を生み出さない業務の改善を行い、利益を生み出す業務にいかに時間を配分していくことが重要です。「利益を生み出す行動」とは「付加価値を向上させる行動」であるということを認識し、日々の行動を「見える化」して効率のあがらない原因を明らかにしてみてはどうでしょうか。


■齊藤 徹
R&Aマネジメント 代表
中小企業診断協会東京支部中央支会理事
流通業に対するコンサルティング、営業指導、創業支援、人材育成等を専門とする。


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