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グローバル・ウインド [第6回] 韓国 最近のビジネス事情 -真のおとなりさんへ- (2007年11月)

Global Wind (グローバル・ウインド)
[第6回] 韓国 最近のビジネス事情 -真のおとなりさんへ-(2007年11月)

 企業内診断士としての私は、入社3年目の1975年に初めての海外出張先として韓国を訪問して以来、30年以上にわたり韓国ビジネスに関わっております。月に数回の韓国出張をしたこともありますので、出張回数で言えば、100回は楽に超えており、長きにわたり又継続的に、エレクトロ二クス関連の様々な韓国とのビジネスに携わって参りました。最近、この分野での韓国の動きは、特に変化が激しいように思いますので、その一端や関連する話題などを紹介したいと思います。

ベンチャー企業設立の動き: 韓国でのビジネスは財閥系が殆ど牛耳っていると言っても良く、エレクトロ二クス業界においても、強大な力を持つ三星やLGなどの財閥系に集中してきたというのが、長年続いてきたビジネスの構図でした。ところが、最近、この流れにも少し変化がでてきております。その背景は、政府の産業構造の多様化を推進する施策もありますが、米国や日本やと同じようにKOSDAQ(米国NASDAQの韓国版)が設立され、上場を目指すベンチャーが数多く育ってきたことや、特に、その中核を担う人材が出現してきていることなどが要因のようです。財閥系の会社で技術や経営の知識・経験を得られた有能な方々がベンチャー設立に挑戦する方が増えていると聞きます。三星やLGの役員の方の平均年齢は40代から50代前半が大半を占めるように若いのですが、反面目立った実績をあげられないと、2、3年で退職を余儀なくされるなど厳しい側面から、50才前後には退任されベンチャー企業の経営者として転進される例も多く、ベンチャー企業経営者予備軍の色彩も示しております。技術者も同様で、財閥系会社の有能なエンジニアがベンチャー企業を起こす例や、それらの企業でコアとみなされない事業を担当していた部門ごと会社を設立するような例も出てきているようです。

日系企業進出の第二期: 1970年代に韓国に数多く進出して日系企業は、その大半が撤退を致しました。パートナーではなく競合先としての存在になったこと及び労使問題が頻発したというのが主たる原因と思われます。ここ数年来、日系企業の韓国進出が活発化しております。大きな話題となったソニー・三星のLCDパネルの生産合弁会社も一例ですが、半導体や液晶パネルの日系の部品や材料メーカーが、韓国への進出を始められているようです。今回の日系企業進出は、第一期と違い、リスク分散の協業や最適サプライチェーンの構築など、グローバルな視点での経営の妥当性を持った日韓協業の流れのように思います。

ケソン工業団地: 韓国と北朝鮮の関係改善が伝えられる中、象徴的なビジネス面での話題がケソン工業団地です。北朝鮮の中に位置しながら、ソウルから80キロという近距離にある韓国企業が進出している工業団地です。韓国の高い技術と北朝鮮の競争力のある労働力の融合という触れ込みですが、台湾企業が同じ言語を使う中国で工場をもち多くの成功を収めているのと同じパターンです。政治状況の推移に左右されるという不安定要因を抱えてはおりますが、将来の韓国と北朝鮮との関係強化の経済面のメリットの方を表している例と言われております。

東アジア経済圏への動き: 羽田・金浦間の飛行ルートの開通は、日帰り出張までも可能とする利便性が出て参りました。9月末に開通した羽田・上海に続き、10月の金浦・上海の開通により、いよいよ東アジアのトライアングルが全線開通となります。我々から見ると、ソウルも上海も近くなりましたが、ソウルや上海からも同様です。一方、韓国から中国北東部を中心にした中国への空の便の多さも目をみはります。韓国企業も、生産コスト削減と市場を求め、ダイナミックに中国に進出しているという事情が要因の一つです。人の動きが着実に拡大し、経済や文化の交流が東アジア域内で深まっていることを、韓国との取引を行っている中でも、あらためて認識をしております。東アジア経済圏の設立に向けた動きが、実態面で、静かに、又、着実に進行しているような感じがしております。

小西 豊 (中央支会 国際部)


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