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専門家コラム 「効果のでる会議のススメ」(2008年10月)
遠藤 孔仁

<「効果のでる会議のススメ」 >

1.会議に求められるものは?
 みなさんは会議に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?あるアンケートでは、会議に対して「意見がでない」、「結論がでない」といった悩みを抱えている人が多いという結果を伝えています。そのような会議によくあるパターンとして次の3つがあげられます。
 最初に、目的が不明確で活発な議論もないままに、時間だけが過ぎていく「ダラダラ会議」。次に、会議の議事録をただ読み上げるだけだったり、精神論や過去の武勇伝を長々と語ったりする「演説型会議」。最後は、ありとあらゆる事態を想定して議論し尽くそうとして結論にたどりつく前に息切れしてしまったり、議論を尽くした後にそもそも論を持ち出し、結論を覆したりする「先送り会議」などがあげられます。
では、理想の会議とはどのようなものをイメージするでしょうか?例えば理想的な会議のイメージは次のような感じとなるのではないでしょうか?
 まず、会議の参加する人全員から活発な意見がたくさんだされる。そして、ワイワイガヤガヤした会議の雰囲気の中から創造的なアイデアや結論が導き出される。さらに、その会議で決定されたことを、皆が協力して実行することで、より大きな成果がうみだされる。
 このような理想的な会議にするためには、どうしたらよいでしょうか?そのような会議に近づけるために、会議の前に行うべきポイントと会議を運営する上でのテクニックをいくつか紹介いたします。

2.会議を企画・準備する段階の3つのポイント
 会議の場だけで活発な議論を引き出すことは難しいでしょう。会議の事前の準備を入念に行うことが成果を左右するといっても過言ではないでしょう。ただし、ここでいう準備とは、結論を用意したり、根回しをしたりするという意味ではなく、あらゆる議論に対応できるような器を用意するというという意味となります。
 企画・準備する段階の3つのポイントとして、「会議の目的・狙い・成果を共有する」、「会議のルール、役割分担を明確にする」、「会議の進め方を事前に計画する」をあげられます。それぞれのポイントを以下の通りとなります。

(1)会議の目的・狙い・成果を共有する。
 会議の目的や狙いを明確にすることにより、議論の方向性がぶれることなく進めることができ、狙った成果を獲得しやすくなります。
 まず、会議が何を目的としたものかを認識する必要があります。会議の目的として、報告・周知のための会議と意思決定を行う会議の2つに大別することができます。前者の会議の場合、事前に資料を配布し一読させ、会議の席では重要事項・ポイントの説明とするなどの工夫により、短時間に目的を達成することができるでしょう。

(2)会議のルール、役割分担を明確にする。
 会議を議事進行する上での基本的なルール、例えば相手を非難しない、肩書きを意識せず参加する、愚痴や否定的な発言はしないなどを決めることにより、議論を円滑に進めるベース作りをします。また、司会者や書記、タイムキーパーなど会議を進める上での役割分担を決めます。

(3)会議の進め方を事前に計画する。
 会議の進め方を計画することは、目的に到達するための道筋を計画することです。例えば、QC手法やVE(Value Engineering)の基本ステップなども問題を解決するための基本的な手順が決められているので、それに従った周到な準備を行なうことで、様々な議論に対応することができるようになります。

3.会議の運営上の実践テクニック
 次に、実際に会議を運営し、議論を盛り上げるために効果的なポイントや実践テクニックを3点紹介いたします。

(1)場を作る
 会議の雰囲気によって、メンバから意見が出される量や質は変わってきます。プロジェクトなどの初めて集まる会議の場合、メンバ全員緊張している状態ですので、緊張をほぐす必要があります。そのために自己紹介や最近の気になる出来事を紹介するなどの時間を用意します。こうした参加者の緊張を解したり、議論に入りやすくするためのエクササイズを行ったりするアイスブレークを行ったり、合宿などで場所を変えて、リフレッシュして新しい企画を立案したりする工夫により、全員が参加できる雰囲気を作り上げます。

(2)聴く、引き出す
 会議で参加者の意見を引き出すことにより、新しいアイデアや価値を創造することにつながりますが、いかに意見を引き出すかが重要となります。まずは、相手の意見を聞き(傾聴)、相手の意見を復唱したり、比喩や別の表現に言い換えたりすることで、自分のことを理解してもらえているという共感をうみます。そうした共感による信頼をベースに、質問をつなげていくことにより、議論を深化させていきます。これらの傾聴や質問のテクニックはコーチングなどでも紹介されておりますので、参考とするところは多いでしょう。

(3)ビジュアル化する
 ビジュアル化の一般的な方法として、メンバからだされた意見をホワイトボードなどに書き出すことがあげられます。既に実践されている事柄かもしれませんが、これには次のような利点があります。

 ・ メンバ全員が一つのものに集中して、議論が進められる。
 ・ 議論がそれたりすることを防止する。
 ・ 議題を整理したり、構造化したりして、内容をメンバ全員で共有できる。

 また、ホワイトボードの他にも、パソコンとプロジェクタを利用したり、模造紙と付箋紙とマジックを多用したりするなどできます。

4.効果のある会議とは
 以上、会議の事前準備のポイントと実践テクニックを紹介しました。これらを通して、会議に対する共通した目的意識浸透させ、会議の進め方を共有することで、日々のミーティングからプロジェクトにいたる会議に対して、効率的な運営が可能となると考えます。
 そして、個人を尊重し、より多くの意見を引き出す姿勢により、議論した内容に対する納得感を高め、結論にコミットし、主体的な行動をおこすといった変化につながっていきます。こうした変化の積み重ねこそが、革新をうみだす土壌となるのです。

 参考文献
 ファシリテーション入門 堀公俊
 ワークショップデザイン 堀公俊、加藤彰

■遠藤孔仁(えんどうこうじ)
 中小企業診断協会 東京支部中央支会理事
 ITコーディネータ


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