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専門家コラム 「次世代育成支援対策推進法 認定企業の増加について」(2008年12月)
古賀 英右

< 次世代育成支援対策推進法 認定企業の増加について >

 「次世代育成支援対策推進法」(以下「次世代法」)では、企業などによる仕事と子育ての両立支援に対する取組を推進するため、平成17年4月以降、常時雇用する労働者が300人を超える企業は、一般事業主行動計画(以下「行動計画」)を策定し、その旨を届け出ることが義務づけられる(労働者が300人以下の一般事業主は努力義務)。策定した「行動計画」を実施し目標を達成したと厚生労働大臣に認定された場合、次世代認定マーク『くるみん』を自社の商品・サービスに表示することが出来る。

 「次世代法」の認定を受けるためには以下7項目のすべてを満たす必要がある。

1.雇用環境の整備について、行動計画策定指針に照らし適切な行動計画を策定したこと。
2.行動計画の計画期間が、2年以上5年以下であること。
3.策定した行動計画を実施し、それに定めた目標を達成したこと
4.3歳から小学校に入学するまでの子を持つ労働者を対象とする「育児休業の制度または
 勤務時間短縮等の措置に準ずる措置」※を講じていること。
(※勤務時間短縮等の措置とは、短時間勤務制度、フレックスタイム制、始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ、所定外労働をさせない制度、託児施設の設置運営その他これに準ずる便宜の供与の措置をいう。)
5.計画期間内に、男性の育児休業等取得者がおり、かつ、女性の育児休業等取得率が
 70%以上だったこと。
6.次の(1)~(3)のいずれかを実施していること。
 (1)所定外労働の削減のための措置、(2)年次有給休暇の取得の促進のための措置、
 (3)その他働き方の見直しに資する多様な労働条件の整備のための措置
7.法及び法に基づく命令その他関係法令に違反する重大な事実がないこと。

「次世代法」は常時雇用する労働者が300人未満の場合は、努力義務であり、上記【項目5】について
 計画期間内に男性の育児休業等取得者がいなかった場合でも、
  計画期間開始前の3年以内のいずれかの日に、男性の育児休業等取得者がいればよい。
 計画期間内の女性の育児休業等取得率が70%未満だった場合でも、
  計画期間とその開始前の一定期間(最長3年間)を合わせて計算したときに、
  女性の育児休業等取得率が70%以上となればよい。

と取得用件は300人以上の企業に比べ緩和されている。

 行動計画届出企業24,993件のうち、常時雇用する労働者が300人未満の企業は12,464件にのぼり、「次世代法」の認定を受けようとする中小企業は多い。平成20年6月に認定を受けた企業のうち、和歌山県にある従業員29名のメーカーでは、平成18年1月から19年12月31日までの行動期間中に「妊娠中、産休復帰後の社員向け相談窓口設置」「短時間勤務制度・ノー残業デー」「社内でのアンケート、社員の意見交換」「授乳コーナー、乳幼児と一緒に入れるトイレの設置」などの「行動計画」を「実施」したという。

 努力義務であるにもかかわらず認定を受けようとする中小企業が多いのはなぜか。そのメリットとして次世代認定マーク『くるみん』を商品・サービスに表示することが出来ることがあげられる。『くるみん』を表示できる場所は取得した企業の商品・サービスはもちろん、広告表示や書類や名刺、あるいは求人広告まで幅広い。

 新卒採用で会社案内や就職サイトに『くるみん』を表示することで女子学生の入社希望者が増えるといった効果、社内での『くるみん』の表示により育児支援の意識が共有され、女性従業員の定着率がアップ、出産後の職場への復帰によるトータルの研修・教育コストの削減につながっているからである。また、『くるみん』が消費者や取引先からも注目を集め、企業イメージ向上により商品・サービスの売上向上につながったケースもあるという。

 また、大企業にとっては義務である「次世代法」だが、「次世代法」認定の先には、性差だけではなく外国人、障害者、雇用形態、価値観など様々な社員の多様性を受容し、発揮することにより組織を活性化させていく「ダイバーシティ経営」の実現をめざすことが期待される。

■古賀 英右
 中小企業診断士
 東京支部中央支会理事 青年部副部長


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