西岡 昭喜
ゴールドンマン・サックスがそのレポートのなかで、今後成長が期待される4各国のブラジル、ロシア、インド、中国の4各国をBRICsとして紹介したのは、わずか6年前の2003年であった。
米国サブプライムローン問題に端を発した世界経済の悪化は、BRICsに対しても多大な影響を与え、直近での成長の鈍化は否定できないが、2003年以降のGDP成長率は約5~12%程度の高成長となっている。GDP総額で比較した場合、2007年時点でBRICsのGDP総額はG7の約23%に過ぎないが、2030年には追いつき、2050年にはほぼ2倍になると予想されている。
さらに、ゴールドンマン・サックスはBRICsに続き成長が期待される11カ国をNEXT11としてそのレポートで紹介している。その11各国とは、メキシコ、韓国、ベトナム、インドネシア、フィリピン、パキスタン、バングラデシュ、トルコ、エジプト、イラン、ナイジェリアである。2050年には、NEXT11のGDP総額はG7の50%強になると予想されている。
こうした新興国の高成長を支える大きな理由は、「ヒト」「モノ」「カネ」にあると考えられる。
「ヒト」
2005年の世界人口は65億人であるが、国連によると2050年には92億人に達すると予測している。うち、BRICsは37%、NEXT11が約20%を占めるようになると言う。加えて、新興国では、14~65歳の生産人口が高く生産力が高まると言われている(人口ボーナス論)。一方で、14~65歳の生産人口はその収入を消費する面でその地域で大きな市場を形成する。少子高齢化が進む日本では新興国と逆の減少が起き、14~65歳の生産人口が減少し、生産力も減少し(人口オーナス論)、同時に市場の縮小が進むと予測されている。
「モノ」
今後の世界の成長に伴って、石油、天然ガス、金属などの資源やエネルギーの需要は高まると考えられており、中近東諸国、ブラジル、ロシア等の資源大国が注目されている。
また、人口の増加に伴う水、食料の安定供給や地球温暖化対策も課題となっている。日本では資源は不足しているが、エネルギーを効率的に利用する技術やビジネスを効率的に運営する技術等により、世界の経済へ貢献できる大きな役割が期待されている。
「カネ」
G7を中心とした国々から中国等の新興国に対し直接投資が行われてきたが、2000年以降、世界的な低金利環境のなかで、投資ファンド等を通じその投資額は急増してきた。現状は、サブプライムローン問題により混乱が見られる。着目すべき点は、中国等がビジネスで収益を上げ外貨準備高を着々と増やし、海外から投資も受けつつ、投資される側から投資する側へ変身しつつあり、対外投資額を急増させていることである。
こうした新興国が台頭する環境変化の中での中小企業の舵取りの方向性としては、自らのグローバル化、グローバル企業との連携・提携・合併なども一つではないでしょうか。
■西岡昭喜
中小企業診断協会東京支部中央支会理事。
IT、通信の分野で、商品企画、新規事業開発、国際業務に従事。
セミナー、執筆、コンサルティングと精力的に活動中。