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専門家コラム 「国際活動中の診断士」(2009年5月)
名倉 寛恭

 今ミャンマーの最大都市ヤンゴンからはるか彼方のヘイホーのひまわり畑にいる。日本の有名な蜂蜜養蜂会社社長のお供である。

 海外で活動するコンサルタントは、いつか自分の得意な国(好きな国、第二の故郷)を見つけるものである。

 私は2003年度、ミャンマーで研修会を開いていた。その年アウン・サン・スーチーさんが自宅軟禁された。未だ状況は変わっていない。それからODAはストップし中国資本が入ってきた。JICAの仕事をしながらミャンマー貿易の糸口を考え続けてきた。ユーカリオイル、青いランの花等などすべて失敗した。蜂蜜も、手掛けて1年になる品質管理等の指導を経てようやく2009年4月からMade in Myanmarのひまわり蜂蜜が日本の店頭に並ぶことになった。黄色い平原にいてコンサルタントをやっていて幸せだと感じた。国と国との橋渡しができた。これからも益々この国が好きになるだろう。


1.海外活動型中小企業診断士の特徴

・国内と同様広い知見と深い専門分野を持っていること。
・質問を受けたら知らないとは言わないこと(必ず馬鹿にされる)。
・英語が上手にこしたことはないが、それよりも中身で勝負できること。
・なんでも食べれること。この前は猿の脳みそ煮込みが出てきた。
・家族ごと紹介されるから率直にお付き合いすること。
・健康であれば70歳過ぎても仕事ができるので日頃からの心掛けが大切。
 特にASEANでは老人は後期高齢者とは言われない。
 「仏さまに近づいた人と思われる」ので胸を張って頑張る。


2.この分野の診断士のメリット

・仕事をやればやるほど実績が重要視されペーパーで判定される。
・国内は不景気でも仕事が多い。
・低開発国への派遣が多いから日本の喧噪からしばらくは逃れられる。
・仕事をやれば官庁相手であるから報酬は国内より多い。
 (国内と海外とバランスよく仕事をやることも必要である)。


3.この分野の診断士の苦労

・役人・官僚の指示で仕事をする場合が多いから、
 「相手が間違ったことを言っていても説得はしないこと」。聞き上手になる、忍耐がいる。
・治安が良くないところが多いから身の危険を感じる。
・報告書の書き方が官庁で違うから大変。


4.これから期待される海外活動診断士

・ASEANでは日本より中小企業診断士は有名である。「シンダン」は英語である。
 ゆえに尊敬されるから、それなりの勉学を欠かしてはならない。


 JODCの仕事で、昨年インドネシア、今年はタイとベトナムで「中小企業診断士による海外進出日系中小企業の経営支援」を実施した。経済産業省にも評価され、今年も予算がつき活動の場が増えつつある。

 今年から来年にかけては金融危機による海外の中小企業支援が必要になるので、「金融危機対策・提案」を常に考えておく必要がある。また、この種の仕事が増えてくる。

 最近は、女性の診断士や専門家の海外での活動がめざましくなってきた。国際関係の仕事をやりたい女性には中小企業診断士の資格は有利となる。


■名倉寛恭
 福井大学卒業後、住友化学工業入社。
 新素材事業部にてプロジェクト・リーダーとしてIC用特殊樹脂の開発、
 Boeing社の777型の機体用素材開発に成功した。
 事業部部長を経てコンサルテイング会社へ4年間出向、
 その間ミャンマー(JODC)ベトナム(JICA)ウズベキスタン(JICA)サウジアラビア(JICA)等で
 専門家活動。
 2005年、(有)名倉コンサルタント事務所設立とともに、(有)GDMCの取締役となる。
 フィリピン(JICA)セルビアモンテネグロ(JICA)、2007年度はインドネシア(JODC)、
 2008年度はタイ(JODC)等海外活動を中心とする。
 同時にミャンマー貿易を手掛ける。
 ネット販売「遊―美―健」の店主。
 著書「課題達成型目標管理:共著」「マーケティング・新製品開発:セルビア語翻訳版」その他多数。


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