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専門家コラム「中小企業応援センター事業活用のススメ」(2010年9月)
山田 かすみ


1.はじめに

 中小企業庁は、今年度から新たに「中小企業応援センター」事業を開始しました。平成20年まで「地域力連携拠点事業」という名称で行っていた事業を、国の意向により縮小して刷新したものです。中小企業の皆さまにこの制度を活用していただくために、実際にコーディネーターを務めている立場から、事業の目的や現場の情報などをご紹介いたします。


2.「中小企業応援センター」の役割

 「中小企業応援センター」は、中小企業にとって日常的な経営相談先である各地の中小企業支援機関の経営支援機能をサポートするために、全国84カ所に設置されています。

 ■中小企業応援センターについて
 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/center/download/CAC_Flow.pdf

 ■中小企業応援センター一覧
 http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/renkei/2010/download/100326CAC_All.pdf

 具体的手法としては、中小企業診断士をはじめとする各種士業を専門家として派遣することにより、企業の高度・専門的な経営課題を解決するというのが主なスキームになります。その他、ビジネスセミナーやビジネスマッチングの開催なども随時行っています。


3.コーディネーターの立場から

 私は現在、「中小企業応援センター」のコーディネーター職に就いています。中小企業の社長からお話をうかがい、経営上の課題を明らかにして、その解決に必要なスキルや経験をお持ちの専門家をご紹介するという仕事です。専門家派遣後は、ミスマッチなどの問題が起きることなく、きちんと成果が出せるように適宜フォローアップを行っています。

 連日、規模も業種も様々な中小企業の社長のもとをご訪問しているような状態ですが、その中で強く感じる点が二つあります。

 一つは、中小企業の抱える課題は千差万別という当然の事実です。

 ・新事業展開支援(経営革新/地域資源活用/農商工等連携/新連携)
 ・創業、事業再生および再チャレンジ支援
 ・事業承継支援
 ・ものづくり支援
 ・新たな経営手法への取組支援(ITを活用した経営管理/知的資産経営)

 上記は、今年度、国が重点支援課題として掲げている主な項目です。まさに該当項目に当てはまる課題をお持ちの企業もあれば、販路開拓や資金調達などでお困りの企業も少なくありません。
 社長からご相談を受けた際は、出来る限り、ご要望にお応えしたいと計画書を作成していますが、国が掲げた上記のような指標のみで事業の評価を行い、成果を判断することは避けてほしいと願っています。そもそも専門家の手を必要としている中小企業は引きも切らないはずですし、環境の変化に伴って必要な支援の内容も目まぐるしく変わってくるのですから。

 また、もう一つは、こうした制度の存在があまりにも知られていないということです。ご説明にうかがって「こんな便利な制度があることを初めて知った」とおっしゃる社長の多いこと、多いこと......。非常にもったいないことだと感じています。
 国や各地の「中小企業応援センター」のPRが十分でないため、私たちのようなコーディネーターによる人海戦術が求められているのだと思いますが、今回の事業に限らず、その他の中小企業向け施策についても同様のことが言えます。必要なところへ必要な情報が届く仕組みを早く整備していかなければなりません。

 今回の制度には国の予算が40億円ほど割り当てられています。そのため、何らかの経営上の改善が見込まれる専門家の派遣に関しては3回程度まで無料で実施することができます。
わずか数回でもプロフェッショナルの手が入ることで、より高度な経営課題に着手することが可能になりますので、ニーズをお持ちの企業はぜひ、「中小企業応援センター」を活用していただきたいと思います。
 
 
  
■山田かすみ
kasumi@kcube-con.com
080-5427-8412

(略歴)
中小企業診断士。Kcubeコンサルティング代表。
中小企業診断協会東京支部中央支会理事。


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