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専門家コラム「農商工連携のポイントはこれだ」(2010年12月)
池田 章


 3年前に始まった農商工連携事業は中小企業の支援施策であり、農業者の経営改善を促す経産・農水両省が推す支援施策である。その成功事例が地域活性化に貢献することは間違いない。低迷する地域経済の有効な支援策として定着することを望みたい。
 このコラムでは、農商工連携等支援事業のスタートから関わらせてもらった経緯を踏まえて、事業のポイントを整理してみる。


1.先ずは資源となる農産物の掘り起こし

 食べるには遜色ないのに、形が悪い、キズがあるなどの理由で市場に出回らない農産物がある。取れすぎた野菜や果物も市場での価格破壊を恐れて廃棄されることもある。こうした未利用の農産物は新しい資源として可能性が高い。


2.次に必要な商品化のアイデアだし

 初めの発想は、果物を搾ってジュースにするでもよし、野菜を乾燥させるでもよい。生鮮品を加工することで付加価値を発生させる。保存が可能になり、用途が広がり、思わぬ利用法で、全く新しい価値を生み出すこともある。


3.果たして事業化の可能性はあるか

 事業化の可能性は常に検討しなければならない。売上が何処まで見込めるか、何時から利益が望めるかなど、かなり突っ込んだ事業計画が必要である。


4.商品はユーザー視点で再検討

 この施策では連携による事業で何を作るかがポイントになる。それぞれの最終商品が明確で、市場で売れる、収益が確保できる、という見通しのある計画でないと認定されない。


5.施策を活用してマーケティングリサーチ

 市場調査や商品のコンセプト作りは事業計画の中に盛り込むことができる。本事業の特徴の一つは、資金や人手不足を理由に中小企業が踏み込めないマーケティング分野にも補助金が使えることであろう。


6.一貫した支援

 本事業は、案件の掘り起しから、事業のブラッシュアップ、認定後のフォローアップ、補助金、低利融資など総合的な支援を売り物にしている。残念ながら、事業仕分の対象となり、予算の縮小はやむを得ないところもあるが、事業者にしては比較的使いやすい施策である。


7.農商工の連携の難しさ

 中小企業者の立場に立つと、認定の難しさは、農家と連携を組むということであろう。自然を相手に生産をする農家にとっては、計画的に農業を経営すること自体、慣れていないからだ。企業文化だけでなく、関係する人達の生活そのものも異なり、話がかみ合わないことがある。事業計画を立てたり、決算書を提示したりすることにも抵抗が感じられるようだ。


8.農商工連携をスムースに進めるには

 農商工連携を進めるには、信頼関係構築が何より大切である。それには一定期間の交流によって考え方や行動パターンを理解する必要がある。信頼関係ができれば、認定へ向けたハードルが多少高くでも乗り越えられるはず。農商工連携事業をスムースに進めるポイントは互いの信頼関係と地域を元気にしようとする強い意気込みである。


 農商工等連携事業は入口要件さえ満たせば比較的使いやすい支援施策である。以上のポイントを踏まえて、地域を元気にしようという企業が少しでも増えてくれると嬉しい。
 
 
 
■池田 章(いけだ あきら)
(株)ビジネスナビゲータ


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