大谷 秀樹

【質問】

「お客様にDMを出しているのですが、反応がいまひとつです」

 

【解説】

DMは販売促進の重要なツールです。その反応がいまひとつということは、見込み客の獲得や既存客のリピートに繋がっていないのでしょう。そこには様々な要因が考えられますが、今回は訴求内容について検証してみます。販売促進は「訴求内容×訴求手段」で整理することができ、DMは訴求手段にあたります。つまり手段に対して内容が適切であったかどうかを検証してみるのです。

早速ですが、今回のDMで訴求した内容は顧客の興味を惹くものになっていたでしょうか。もしそれが単なる新商品の案内などにとどまっていたなら、顧客の関心を高めることは難しかったでしょう。なぜなら顧客の関心は商品やサービスそのものにはないからです。

有名な例ですが、女性の口紅は発色や艶感、保湿力など様々な機能を持ちますが、顧客が求めているのはそれらの機能そのものではなく「美しくなること」です。

また、最近のカフェは、コーヒーなどの飲み物や座席の他に電源とWi-Fiを用意しています。つまり顧客が求めているのは「仕事ができる時間と空間」です。これらが顧客に提供すべき「価値」です。顧客が求めているのは商品やサービスそのものではなく、それらがもたらす「価値」です。あなたの商品やサービスは顧客にどのような価値を提供しているでしょうか。そしてそれをDMで訴求できていたでしょうか。

もし、顧客に提供する価値が明確でないとお感じになった場合は、次の文章の空欄を埋めてみてください。

「私たちは商品やサービスを通じて顧客に     を提供する」

たとえば「安らぎ」「前向きな気持ち」「ワクワクする気持ち」など、顧客にとっての価値を入れてみましょう。この一文をコンセプトと言います。顧客はこのコンセプトを受けてはじめて商品やサービスに関心を持つのです。

次に、情報の鮮度を考えてみましょう。DMはいつも同じような内容ではありませんか。ここでお考えいただきたいのは、コンセプトの具体化(ブレイクダウン)です。例えば季節に合わせてコンセプトを具体的に説明してみましょう。「顧客にワクワクする気持ちを提供する」というコンセプトの場合は、この夏はどのようなワクワクする気持ちを提供するのかを考えてみましょう。また、今度の秋にはどのようなワクワクを提供しましょうか。

こうすることで、顧客は常に新鮮な価値提案を受け取ることになるため、あなたの提供する商品やサービスへの関心を高めるでしょう。

今回はDMを例にとりましたが、Eメール、チラシ、ブログなどの他のツールも考え方は同じです。販売促進は「訴求内容×訴求方法」で整理しましょう。そして訴求内容は顧客に提供する価値(コンセプト)を軸に、それを季節などに応じて具体化することで鮮度を高めて提案しましょう。

 

■大谷 秀樹(おおたに ひでき)

中小企業診断士。大谷秀樹事務所代表。広告会社で市場調査、広告戦略等の立案業務に20年以上従事した経験を活かして、販売促進、新ブランド開発などの支援を行っている。東京商工会議所エキスパートバンク登録専門家。