ウクライナ情勢の影響から、燃料価格や日用食用品の価格が上昇していますが、日常の周りでコストが上がっていることを日々実感しているところだと思います。

企業経営をしていく上でシステムは切り離せないものですが、システムに関わるコストも上昇傾向にあることをご存知でしょうか。

まずクラウドサービスを利用する上で基盤サービスとなるAWSについて、2022年になって円安による影響で実質のコスト増となっています。

『現状では影響は限定的だが、AWSのコストが上がったと認識している。これまでAWSの料金単価(ドルベース)は右肩下がりで、しかも緩やかな円高基調の恩恵を受けていたが、近年の半導体不足やエネルギー価格の高騰なども考えると、これからはコストが上がっていくリスクを考えなければならない。コスト削減の取り組みを強化する必要性を感じている』

出典:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02096/060900005/

またMicrosoftにおいては、2022年11月に、2023年4月からの値上げを発表しています。
『日本マイクロソフト株式会社は、日本円の為替変動に伴い、2023 年 4 月 1 日から、法人向けライセンスおよびサービスの価格を改定し、オンプレミス製品を 20%、オンラインサービスを 15% 引き上げます。新価格は、2023 年 4 月以降の契約更新や新規契約のお客様に適用されます。』

出典:https://news.microsoft.com/ja-jp/2022/11/02/221102-information/

円安による影響やIT人材の不足等の影響から、今後もこういったコスト増の動きが続く可能性があります。そして、各企業では業務を遂行するためにクラウドサービスを始めとしたITシステムを利用していることから、少なからず影響が出てくる内容です。

これらの影響については、現在、各企業が利用している既存のクラウドサービスだけの影響だけでなく、今後のITシステムの投資額にも影響が出てくる話となります。

企業経営の重要テーマとしてDXの推進が昨今掲げられていますが、システム投資の責任をもつIT担当部門においては、外部環境の状況変化に合わせてシステム投資の重要性や目的を経営層に日々伝えていく必要性が高まったと考えています。そうでないと、自社の改革が進まなくなる可能性もあります。

急速に世の中の動きが変わりつつあるこの頃ですが、今回は「Microsoftの値上げ。今後のシステム投資への影響」というテーマで、業界トピックを紹介させて頂きました。

【略歴】
野見山 真成
中小企業診断士
基幹システム導入、プロジェクトマネジメントが専門
東京都中小企業診断士協会 中央支部執行委員 総務部 副部長