マーケティングについて、さまざまな書籍や記事があふれていると思います。そのなかでも心がけておきたい3つのポイントを紹介いたします。
1.かね=金
私が中小企業診断士になる前に通っていた学校の講師がおっしゃっていました。クライアントの商品やサービスは必ず体験すること、そしてそれは自腹で体験すること、ということでした。
クライアントからの招待では日常の姿が見えないので特にサービス業は自ら黙って経験するのがよいとのことです。その先生は九州の高級旅館にまで出向かれたこともあったそうです。
客して体験してみることで、商品やサービスの良い点、良くない点がよりリアルにわかり、価格の妥当性も判断できます。
これは診断士の仕事に限ったことではなく経営者やマーケティングに関わる人たちにも言えることでしょう。会社の経費で体験するのではなく、自腹を切って体験することで見えてくるものが異なるのでなないでしょうか。
そのためには資金が必要です。前述した先生はマーケティングを専門にしたい人はお金がかかることを覚悟しておいたほうが良いとおっしゃっていました。
2.たね=種
種まきをしましょうとよく言われます。今後相互に助け合える個人や企業の人と知り合うことです。きっかけはさまざまだと思われますが、商工会議所への入会や異業種交流会への参加など多くの人に会える場所へ積極的に参加してみましょう。
今はたくさんの名刺管理ソフトがありますので、どこで会ったか、どんな話をしたか、など追記しておくことも大切です。そのコネクションが宝となります。
そうして一生懸命種まきをしても、もちろんすべての種から芽が出るわけではありません。むしろほぼ出ないといってもいいでしょう。それでもくじけず新しい種を巻き続け、もう一度お目にかかる機会をセッティングしていただく、ブルーオーシャンに種を蒔いてみるなど工夫をしてみましょう。
種をまこうと思った企業の商品・サービスをためすためには資金が必要です。当然競合他社の商品・サービスも試す必要があります。「かね」も大切になりますね。
3.まね=真似
マーケティングのために競合企業の商品やサービスを試すことはよくあると思います。どこが自社と違うのか、どんなポイントが業界で受け入れられているのかなどを模索して決めてみます(著作権等には注意してください)。
このとき、競合企業の情報が足りず、どうやって実現したのかわからない場合は「たね」がまだ発芽していないかもしれません。メールで状況を伺ったり、会う機会を設けたりできるかもしれません。
サービスをうけに何度も通ってもよいでしょう。その場合もやはり「かね」が必要になってきます。企業の肩書を持ってサービスを受ける場合とそうでない個人として受ける場合で異なる点があるかもしれません。
以上、既知のことやもう試していることもあるかもしれませんが、初心に帰ってもう一度「かね」「たね」「まね」についてどこまでできているかを考えてみてください。
略歴
中小企業診断士
村尾奈津