活動報告

東京都中小企業診断士協会中央支部 国際部主催 国際オープンセミナー実施報告 国際オープンセミナー「~食品ビジネス最前線 ― 海外展開への挑戦と支援のヒントがここにある~」開催報告

2025年10月4日(土)、東京都中小企業診断士協会中央支部 国際部主催による「国際オープンセミナー」が中小企業会館(東京都中央区)およびオンラインのハイブリッド形式で開催されました。
今回は、食品ビジネスの海外展開に関心を持つ中小企業経営者、支援機関、中小企業診断士を対象に、海外市場へのアプローチや公的支援制度、成功事例などを学ぶ貴重な機会を提供しました。会場・オンライン一体となり、和やかな雰囲気の中で実施されました。

■第1部「食料品の海外輸出状況とJETROの支援制度・支援事例について」
登壇:独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)農林水産食品部 市場開拓課 主幹 新井 剛史 氏
新井氏からは、農林水産物・食品輸出額が過去最高を更新し続ける現状を踏まえ、各国市場の動向と今後の成長分野が紹介されました。さらに、ジェトロによる展示会支援や商談マッチングなど、海外展開を後押しする具体的な支援制度・事例が解説され、参加者は熱心にメモを取っていました。

■第2部「食品ロスを価値に変える!アップサイクルから始まる海外展開への挑戦」
登壇:有限会社ラパン 取締役 久保 恵理 氏(オンライン登壇)
大阪万博会場から登壇した久保氏からは、パン製造で生じるおからや副産物を新たな商品に生まれ変わらせる「アップサイクル事業」について紹介がありました。大阪・関西万博では東アフリカ・ブルンジ共和国の公式プロバイダー事業者として出展準備を進めており、海外展示会への挑戦や現地パートナーとの協働など、実践的な知見が共有されました。
また、アイデアを得てすぐ行動する力、常に前向きな営業の姿勢に、参加者は成功のヒントを得ることが出来たようでした。

■第3部「地域と世界をつなぐ架け橋に――“おいしい日本、届け隊”の取り組みと支援モデル」
登壇:ノウタス株式会社 藤田 隆太 氏
藤田氏は、農林水産省主導の官民共創プロジェクト「おいしい日本、届け隊」の活動について紹介。地域の食品事業者と支援者をつなぐ新しい支援モデルを披露しました。マーケティング戦略、人材マッチングの実践事例を通じて、地域資源を世界へ届ける取り組みの重要性を強調しました。「同じ想いを持つ仲間が集まり活動が広がっていく」という概念が、会場の共感を呼びました。

■まとめ:質疑応答では、海外販路開拓の具体的な課題や、現地ニーズに合わせた商品開発のポイントなどについて活発な意見交換が行われました。
今回のセミナーを通じて、海外展開をめざす中小企業にとって、支援機関や中小企業診断士との連携の重要性が改めて確認されました。

中央支部国際部では今後も、グローバルビジネスの実践に役立つ知見を共有する場を提供していく予定です。

中央支部国際部 伊藤きよ枝

PAGE TOP