中原 裕之

 私は、野球ファンで、応援球団の試合をよく球場での観戦、もしくはCS衛星放送、ネット中継で見ている。現在、日本のプロ野球は「人気低下」と言われている。診断士同士の飲み会でも、「野球は人気なくなっているよなぁ」という会話が多いのが私の見た範囲での認識である。しかし、実際、球場に通ってみるとそれを感じたことはなく、ある意味「ギャップ」に戸惑っているのが、私の素直な心境である。
 今回のコラムは、その「ギャップ」を埋めるべく、日本のプロ野球は「人気」と言われる部分を、「こと」作りの視点で、また、関連するデータを整理して、考察してみる。

1.プロ野球人気が落ちているのは本当?
 よく言われる「プロ野球人気低下」のキーワード。確かに、巨人戦の地上波全国中継は以前より大幅に減少した。また、巨人戦の地上波全国中継をたまにやっても、以前20%以上常時獲得したと言われる視聴率は、現状10%以下と低迷している。この点を強調して、「プロ野球人気は低下している」と指していると言える。
 しかし、ここ10年間以上のセ・リーグ、パ・リーグの観客動員数の推移を見ると、「プロ野球人気低下」の言葉とは裏腹に、両リーグとも、東日本大震災の影響が大きい2011~2012年を除き、継続的に増加しているのが現状である。(図−1 参照。セ・リーグ 1,160万人(2005年)→1,385万人(2016年)、パ・リーグ 825万人(2005年)→1,113万人(2016年))

図1

図−1 リーグ別観客動員数推移(2005年~2016年)

2.閑古鳥になく球団はない(観客動員数推移を細分化してみる)
 観客動員数の推移を細分化して、動向をみようと思う。
 12球団を、「①全国区球団」、「②地方球団」「③都市圏球団」に分類する。
①全国区球団は、全国にファンを有する球団で、巨人、阪神を指す。この2球団は安定した人気を有するため、マスメディア(テレビ、新聞等)に取り上げやすく、極端に言えば、「特に営業活動をしなくていい」球団とも言える。
②地方球団は、地域を基盤にファンを有する球団で、日本ハム(北海道地区)、楽天(宮城県中心の東北地区)、中日(中京地区)、広島(広島県中心の中国地区)、ソフトバンク(福岡県中心の九州地区)を指す。(阪神(関西圏)もこのグループに近い)。これら5球団は、地元放送局(テレビ/ラジオ)が盛り上げており、また、かつての巨人戦のように、毎日試合がある日は、地上波の中継があるため、地元で安定した人気を得ている。
※ちなみに②地方球団同士の日本シリーズ(広島vs北海道日本ハム)の広島地区及び北海道地区の視聴率は、全試合40%以上。まさしく以前の巨人が日本シリーズに出た時の視聴率と変わりありません。
③都市圏球団は、首都圏、関西圏で①全国区球団(巨人、阪神)以外を言い、東京ヤクルト、埼玉西武、横浜DeNA、千葉ロッテ、オリックス指す。このタイプは、巨人(首都圏)、阪神(関西圏)の①全国区球団と市場を食い合いし、しかも、マスメディアに取り上げにくい環境のため、球団経営環境では、最も厳しい状況と言えるタイプである。
これら3タイプの球団の現状を見ると、①全国区球団、②地方球団より、基盤が弱い③都市圏球団のファンが少ないのがわかる。(図–2 参照)

図2

図-2 プロ野球12球団のファン人口  ※出典:2015年スポーツマーケティング基礎調査
(所感:②地方球団の中で、広島、北海道日本ハムは、現状もっとファン人口がいると感じる)

 苦しい環境である③都市圏球団であるが、スタジアムでの1球団あたりの平均観客動員数の推移を見ると、この10年間は着実に伸びている(2016年は1球団平均173万人と不人気の気配はありません)。昔は、あまりにも観客がいないため、観客席で「流しそうめん」をやった球場もあったようであるが、そのような閑古鳥の状況は今や一切なく、どこの球場も盛り上がっているのが現状である。(図–3 参照)

図3

図-3 タイプ別観客動員数推移(2005年~2016年) ※数値は、1球団平均観客動員数
(所感:実は、①全国区球団(巨人、阪神)の観客動員数が減少傾向である。ここの部分が「人気低迷」と言わざるを得ないところである)

 その③都市圏球団の中でも、ここ数年飛躍的に人気上昇の球団が、横浜DeNAベイスターズである。次項目では、横浜DeNAベイスターズにフォーカスして、なぜ今の人気急上昇の状態になったか、考察してみる。

3.着実に飛躍する横浜DeNAベイスターズの状況
(1) 横浜DeNAベイスターズの状況整理
2011年12月、DeNAがTBSから球団を買収、横浜DeNAベイスターズが誕生した。まず、現状をわかりやすく見る数値として、2011年から2016年までの売上高、収益、観客動員数の推移を以下の通り記載する。(図—4)

図4

図-4 横浜DeNAベイスターズ 決算(売上/収益)・観客動員数の推移(2011年度~2016年度)

※2011年度はTBS、2012年度からDeNAが球団を経営している。

ちなみに、横浜DeNAベイスターズの2011年からチーム成績は、以下の通りである。(表-5参照)

表-5 横浜DeNAベイスターズ チーム成績の推移

表5
※( )内球団経営母体。

 DeNAが球団を経営するようになった2012年度から、売上/収益、観客動員数は急激な右肩上がりである。特に重要なのは、2016年の3位(Aクラス)以外、他の年は、4位以下のBクラスであるチーム成績にかかわらず、横浜DeNAベイスターズは、観客動員数を年々伸ばし続けたということである。その結果、売上激増、収益は、2011年の赤字(−24億円)から、2015年から黒字(+5億円)へ転換している。
 チーム成績状況を念頭に入れて、2011年(TBS)と2016年(DeNA)とのいろいろな数値指標を比較すると、いかにDeNA球団が経営に関しては結果を出したかわかる。(表—6)

表-6 2011年(TBS)と2016年(DeNA)との指標比較

表6
※横浜スタジアム満員時の観客数=30,039人

(2)プロ野球の「こと」作りとは
 横浜DeNAベイスターズの急上昇の要因を書く前に、プロ野球を「もの」作り、「こと」作りの視点で述べる。
 プロ野球は、「もの」作りとして、チームの成績、選手(監督、コーチ)、スタジアム(競技する施設・環境)があり、「こと」作りとして、野球の競技としては直結していないスタジアム(グルメなどスタジアムでの物販)、チケット販売(販売方法という言い方が正しい)、グッズ販売などが存在すると考えている。(図—7 参照)

図7

図-7 プロ野球の「もの」づくり/「こと」づくり

 よく言われるのは、「チームの順位が上がれば、また、面白い試合、プレーがあれば、観客動員数は増え、収入も増える」ということである。それは、当然とも言える話ではありますが、プロ野球12球団チームの順位と観客動員数を相関係数で見ると、順位と観客動員数と相関している0.4以上の球団は意外に少なく、大多数(4分の3)の球団はチーム成績とあまり関係していないことがわかる。さらに、チームの順位と観客動員数の関係をみると、②地方球団は密接な関係がある傾向があるが(特にセ・リーグの2球団にその傾向あり。確かに広島も中日も順位と観客動員数に相関している。中日ファンの皆様、すみません。)、③都市圏球団は、あまり関係していない。(図—7 参照)

図8

図-8 観客動員数とチーム順位の相関(2006~2016年)

※ちなみに、今回対象としている横浜DeNAベイスターズの相関係数も0.27と、チーム順位と観客動員数は関係しているとは言えない。(2015年までは、ほぼゼロに近い数値だった)

 したがって、観客動員数を伸ばす要素は、「こと」作りが重要なポイントと考える必要がある。特に横浜DeNAベイスターズが入っている③都市圏球団は、その傾向が顕著というのが想定される。言い換えれば、「勝てば、必ずしもお客様が来てくれるわけでない」ということである。
 次から「こと」作りを観点に、横浜DeNAベイスターズの観客動員数、売上、収益アップに対する行動を述べる。

(3)横浜DeNAベイスターズの「こと」作りに対する行動
  「こと」作りを観点に説明する前に、横浜DeNAベイスターズの行動の前提として(球団の方針ともいえる)、次のような言葉がある。

「チームの成績に関係なく売上を伸ばす」

 チームの成績が悪いからといって、そのせいでビジネスが進まないのは、彼らにとって許されないことだったようである。(現実、球団譲渡当初のチーム成績低迷時も、観客動員数は先述通り、飛躍的に伸びている。)
 「こと」作りをするにおいて、まず、2012年からチケット販売、ファンクラブのデータなど複数のデータから分析して導き出した結果、ターゲットを以下の通り絞った。(ここは、「ビックデータ」「CRM」をうまく活用したともいえる。)

メインターゲット:「アクティブサラリーマン」と名づけた30代を中心としたビジネスマン

 アクティブサラリーマン=仕事や金銭面で一定の余裕が生まれ、多様な趣味をアクティブに取り組む男性をターゲットとした。チケット購入者を分析すると、まず、30〜40代の購入が多いことがわかり、さらに関連するアンケート調査をすると熱狂的な野球ファンではなく、仕事帰りや休日の娯楽として野球場に足を運ぶ30代男性サラリーマンをターゲットにすると観客増に有効と結果が出た。したがって、分析結果の上ターゲットとなったのが、「アクティブサラリーマン」である。
(他の球団は、特に「女性をターゲットしたイベント」が多い中、あえてターゲットをずらしたのが注視すべきである。DeNA球団は、「収入のあるアクティブサラリーマンが他の客層と一緒に見ること」を期待していると聞いている。)
そのターゲットに向けて、チームの勝ち負けとは関係なく野球観戦をエンターテインメントとして楽しめるような施策を、以下の通り実施しました。

① スタジアムを「ボールパーク化」
 本拠地の横浜スタジアムでは「球場で過ごす時間(試合前後、試合中問わず)の価値をいかに高めるか」ということで、「ボールパーク化」を実現すべく、様々な立場で楽しめる魅力的なシート、快適なトイレ、託児所などの「ハード面」を整備した。また、ベイスターズの象徴的な色である「ブルー」を意識した改装も実施。「ベイスターズを見に来た」意識を高めたスタジアムへ変貌した。また、スタジアム前で、夏ならビアガーデン等イベントも多数企画し、「試合前から楽しんで、そのいい雰囲気のまま、野球の試合へ」というストーリー作りをするようになった。
 先日、8月11日、久々(6年ぶりです)横浜スタジアムに行ってきたが、昔の汚いイメージはなく、上記に書かれた通りに変わって、試合前、試合中の合計6時間、まんべんなく楽しめた。ある一種の、野球というものを使った「テーマパーク」であったと感じた。私はベイスターズファンでないが、また行こうと思い帰宅した次第である。(正直、託児所の広さは想像以上である)
 なお、満員の試合の急増、2020年東京五輪野球会場使用を踏まえて、2019年まで30,000席→35,000席への増席に伴う大改修を行うという話もある。ますます魅力的なボールパーク実現へ動いていくだろう。

② スタジアムの飲食の「本物化」
 飲食、試合前後、またはスタジアム内外のイベント(夏ならビアガーデン等)などのスタジアムの「ソフト面」もこの5年間で大幅に変わり、試合前も楽しめるスタジアムへとなっている。
 特に、スタジアムの飲食に関して、「本物化」を進めた。代表して、ビール、コーヒー、カレーを紹介する。

ビール:ベイスターズが手掛けたオリジナル醸造ビール(クラフトビール)の販売
http://www.baystars.co.jp/beer/
※東急ハンズ横浜店でビン売りをしている(球場でのヒアリングより)

コーヒー:球場専用カフェ「BALLPARK COFFEE」で、ビール同様球団が手がけたコーヒー、コーヒー豆の提供
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140104/14058609/
※毎日10時~19時の営業

カレー:若手選手が生活する「青星寮」で実際に提供されるカレーライスを「青星寮カレー」として商品化
https://www.yokohama-stadium.co.jp/foods-shop/detail/?n=10788

 実際、ビール、コーヒーを飲み、カレーを食べたが、従来の球場の食べ物は「高い、まずい(どこのスタジアムとは言いませんが)」とは非常にかけ離れている。なお、ビール、コーヒー、カレーともベイスターズオフィシャルWebより通信販売している。 https://ec.baystars.co.jp/products/list.php?category_id=11
ここでもビジネス化を着実に推進している。

③ チケットの「プレミアム化」
 球団経営へ目指すべきことは、チケットを手に入れるのが難しい状態、いわゆる「プレミアムチケット化」である。発売されたら、一刻も早く買っておくという顧客心理を作れるかどうかが大きな分岐点と言えるが、それを実現するため、以下実施した。
 第1弾として、無料チケットの配布をした。ただし、誰でも配布するわけでなく、あるターゲットに絞って配布したのが肝である。
 一例として、配布対象を小学生以下に限定招待を実施する。そうなると、子供に同伴する親がチケットを購入することになる。親子が試合を見てベイスターズの試合をまた見ようと引き込めば、売り上げはアップすることになる。同様のやり方で、他のターゲットで無料チケットを戦略的に配布した。
 第2弾として、チケットの値引きを、誰でも値引きすることなく、対象者を絞って実施した。
 一例として、平日ナイターゲームの時、仕事が終わるのが遅い人対象に、19時30分以降入場対象のチケットの当日販売を実施、ここでのお手軽価格で試合を体験して、次の試合は正規価格で購入へと結びつけるチケット販売企画があたる。
 チケット販売全般として、ネットのチケット販売システムも、販売状況をすぐ出せるようにシステム化。チケット販売状況で、チケット入手しにくい空気を醸成するようにした。
 このように、ただ無料チケット配布、値引きをするわけでなく、戦略的に導くことにより、チケットの本来の価値で購入へ結びつけることで、結果、購入者が激増、満員になった試合が年間54試合までになった。(ちなみに年間ホーム試合は、最大72試合。実際、チケットの入手は販売日初日でないと難しい段階になっている)

④ グッズの「ストーリー化」
 球団経営で一番コントロールできる分野がグッズであったが、今まで少なかったグッズのラインアップを急増した。グッズの企画にあたっては、ファンの心をがっちりつかむために、「ストーリー」の部分を重視した。
 例えば、2016年は、ベイスターズの前身球団の大洋ホエールズが川崎市から横浜市に移転した当時(1978年)当時のマスコットキャラクター「マリンくん」を復刻しグッズ化。オールドファンだけでなく、新しいファンもデザインに新鮮さがあったため、好評でグッズの売り上げ上昇に貢献した。
 また、これも一例だが、DeNA球団になってから5周年記念企画の一環として、ビジターユニフォームの胸に親会社の企業名(DeNA)でなく、都市名の「YOKOHAMA」にして、それに伴いレプリカとしてグッズ販売した。「ベイスターズという球団は企業のものでなく、地域のものである」という意志表示をしたグッズは、飛ぶように売れたそうである。

 以上、企画を次から次に実施したこと、さらに選手のがんばりも含めた結果が、先の数値である(お断り:企画はほんの一部である。)。また、先日スタジアムへ行った感想として、今後ももっとワクワクさせる企画は継続的にやると感じた次第である。

 話によると、某主力選手が球団スタッフの頑張り、そして観客動員数が激増する姿を見て、「今度は僕たちの番ですね」と発言したらしい。その言葉通り、2016年は久しぶりの3位(初のクライマックスシリーズ進出)、今年も3位以上になり、クライマックスシリーズ進出しそうな勢いである。
※「こと」づくりのがんばりが、「もの」づくりへ明らかに影響していると証拠の言葉と感じる。

4.データではプロ野球人気は低下していない
 こうしてデータを整理して説明してみると、プロ野球人気は低下しているとは必ずしも言い切れない。つまり、タイトルの答えは、「No」である。
 セ・リーグ、パ・リーグとも、一部を除き、観客動員数は順調に伸ばしている。それどころか、経営環境が厳しい球団(③都市圏球団)も、「こと」作りに集中して、成績に関係なく観客動員数を伸ばしている球団がある。
 例えば、東京ヤクルトスワローズは、今年のチーム成績は芳しくないが、2017年の観客動員数に関しては、12球団中前年比最高の伸びを示している。また、埼玉西武も、観客動員数は過去最高である。(オールスター直前の数値 前年比108.7%。セ・リーグ全体 前年比102.6%。横浜DeNAは104.6%である。表-9参照)

表-9 12球団 2017年球団別入場者数(前半戦終了時点)

表9

※NPBホームページより

 「こと」作りに関しても、12球団平均に力を入れている「来場者レプリカ(ユニフォーム)の配布企画」「女性人気向上」の企画、グッズ企画の単体企画でなく、スタジアム、まちづくりのレベルとスケールの大きい話になってきている。横浜DeNAベイスターズの本拠地の横浜スタジアムも、スタジアム全体でのボールパークを目指す大改修を予定しており、また、北海道日本ハムファイターズは、ホテル、商業施設(ショッピングセンターなど)を含めた新球場を計画している。
 今後もこの「こと」作り重視の傾向はこのまま進み、プロ野球人気を支えると思う。そして、チーム、選手は、増加した観客を見て、「もっと良いプレーをしよう。」「彼らのために優勝しよう」という気持ちにさせ、プレーの質も上がると期待できる。

5.しかし、ひとことで言えないのが問題(まとめ)
 こうして、「プロ野球人気は低下していない」と述べてきたが、この原稿を作成している過程で、こんな考えが浮かんでしまった。

「こんなに長く説明しないと「プロ野球人気低下でない」と説得できないのか?」
「ひとことで野球人気のことは言えないのか?」

 今回の原稿はもっと短く書くつもりだった(論文でなくコラムなのに、長くなりすみません)。しかし、結果的には「プロ野球人気は低下していない」をこのように長く書いてしまった。理由は「ここまで書かないと理解不能だから」。このわかりやすく説明できないこと自体が、「プロ野球人気低下」と言われてしまう所以でないかと思う。その主たる原因の球団が、「読売ジャイアンツ=巨人」と考える。

 日本プロ野球界を引っ張ってきた読売ジャイアンツ。小さいからつい最近は、夜の地上波テレビ番組は巨人戦が中心で、話題も巨人ファン、巨人ファンでない人(=アンチ巨人と言われる人たち)も巨人の話題が中心だった。しかし、巨人戦の地上波中継がほぼなくなり、首都圏のスポーツ紙が、巨人が一面を飾ることはほぼない状況になってしまった(特定スポーツ紙除く)。 これは、実を言うと巨人は、マスメディアの露出が少ないため、認知度が低くなる傾向がある③都市圏球団と同類ではないかと思う。同じ①全国区球団の阪神は、関西圏では、地上波はほぼ中継、スポーツ紙は必ず一面と認知度向上しやすい環境とは対象的である。

 (信じられない話だが、巨人戦が土・日曜日の昼開催の場合、首都圏のラジオ局は一切巨人戦を中継していないのである。(ネット経由で対戦相手の地元放送局のラジオ中継を聞くことになる(例えば広島なら、広島・中国放送ラジオで聞く以外方法はない)。つまり、ネットを持っていない人は、リアルタイムで巨人戦がわからないということである。車のカーラジオから巨人戦が聞けない時代が来るとは。。。。。。(阪神は関西圏で全試合ラジオ中継あり。②地方球団も同様である))

 プロ野球の人気、および認知度向上を引っ張っていた巨人が、他の球団より厳しい状況である現状、どのようにこれを回避するか?今までの地上波TV中継が難しい現状、巨人はどのように打破するか?それとも巨人以外の11球団で従来の方法とは別の手段で打破するのか?私の関心事は、この部分である。この部分を打破しない限り、世間からは、「人気低下」を言われ続けると感じるだろう。(場合よっては、12球団全体の「ビジネスモデルの大転換」が必要とこの頃感じる。)
 原稿が書き終わったので、お祝いとして、神宮球場での「東京ヤクルトvs阪神」戦を見に行こうと思う。一度、スタジアムへ言って「プロ野球人気低下」かどうか実感して頂ければ、幸いである。

横浜DeNAベイスターズに関する情報は、以下の書籍より一部出典しております。
参考書籍:スポーツビジネスの教科書 常識の超え方
-35歳球団社長の経営メソッド  (池田 純著/文芸春秋社)

【プロフィール】
中原 裕之(なかはら ひろゆき)
中小企業診断士
東京都中小企業診断士協会 中央支部 実務従事支援部 部長