新型コロナ感染症の対策として、ホームページの見直しを行う事業者様が増えています。
 非対面の対策としてネットを活用することで、事業の維持を図っていきたいと考える中小企業経営者様が多いことかと思います。
 これまではホームページは名刺代わりとして、とりあえずあればいいと考えてきたが、こうした状況下ではホームページを何とか生かすことはできないものかと考えるのは自然な流れでしょう。

 そうした際、「良い制作会社さんを紹介してもらえませんか」といったご相談をよくお受けします。
 その背景には、現在のホームページ制作会社に満足していない、という理由が存在しています。
 そのため、現状の見直しを行うのではなく、ホームページを刷新することのほうが、成果を出す近道だと考えているのだと思います。

 そこで今回のコラムでは、事業成果を実現するホームページ制作会社選定のあり方についてお伝えします。

選択肢が多いから選ぶことが難しい?

 ホームページを制作する場合、個人の方から、多数の従業員を抱える制作会社まで様々な外注先が存在しています。
 そして同じ制作要件に対して、制作費用が数十万円というところもあれば数百万と金額の開きが大きくなっています。
 発注する側としては、安いにこしたことはないものの、それでは成果につながらないのではないかと不安になりますし、だからと言って高額であることが成果につながるかどうかわからないため、リスクが大きく判断が難しくなってしまいます。

ホームページ制作って何を依頼するのか?

 ホームページ制作の依頼をするといっても、期待するものは成果です。
 成果というと売上につながることなのでしょうが、売上につながるための制作とは具体的にどのようなものでしょうか。

 ・新規顧客を増やす
 ・リピーターを増やす
 ・見込み顧客を増やす
 ・お問い合わせ件数を増やす
 ・販売数を増やす
 ・販売金額を増やす

 このように売上につながるために必要な施策は複数存在しますし、目標によりホームページの作り方も違ってきます。
 ホームページを活用してどのような成果を得たいのか、優先順位をつけてより具体的に依頼しない限り、ホームページは再び名刺代わりの存在になってしまいます。

目標の設定と認識合わせを行うこと

 具体的な目標を考え始めると、現状の問題点が何なのかを検討していなかったことに気づくことでしょう。

 例えば、これまで集客は実現できてきたものの、受注件数は一向に増えないという問題点がある場合、ホームページ内部に何らかの問題がある可能性が考えられます。

 ・文字が小さい、文字が多い等、読み進める気持ちになれない。
 ・ナビゲーションがわかりづらく、欲しい情報を見つけ出すことができない。
 ・色とりどりで、情報に強弱がなく、見ているだけでストレスを感じる。

 これらはあくまで仮説にすぎませんが、サイト分析ツールで検証を行うことにより、問題点を具体的に見つけ出すことが可能になります。
 その上ではじめて、制作会社に具体的な依頼が可能になります。そしてその依頼に対して応えていただけるかどうか、事業者を選定の基準になるのではないでしょうか。

まとめ

 ホームページ制作は、発注側と受注側の認識合わせを行うことが必須であるということが、おわかりいただけたことでしょう。
 そう考えると、これまでのホームページ制作会社となぜ良好な関係が構築できなかったのかも理解できることかと思います。
 もちろん、発注側だけに問題があるということではなく、具体的な依頼が確認できない状況で制作に取り掛かる受注側も問題があると言えるでしょう。

 2020年に猛威を振るった新型コロナウィルス感染症はいまだ終息が見えない状況です。
 そうした中、ホームページの本格活用を進めることによって事業継続の助けになるものと考えています。
※サイト分析ツール(無料)
Googleアナリティクス
https://marketingplatform.google.com/intl/ja/about/analytics/
Googleサーチコンソール
https://search.google.com/search-console/about?hl=ja

以上

略歴
吉野 太佳子
中小企業診断士、MBA、上級ウェブ解析士
一般社団法人東京都中小企業診断士協会中央支部会員部副部長
東京都よろず支援拠点コーディネーター、Webブランディングの専門家。