Global Wind (グローバル・ウインド)
「#05 勇気を持って、海外案件に挑戦しよう! 藤田泰宏さん」

中央支部・国際部 井原美恵

01【基本データ】
 総合商社の食料事業部門に26年、教育産業企業に10年勤務し、穀物トレーダーから、食料の輸出入、海外食品合弁企業の管理、食料事業本部の企画業務、教育産業での経営企画業務まで、多岐にわたる業務を経験された藤田さん。診断士資格取得後60歳で退職し、それまでの経験を活かして独立診断士となられました。中小企業の海外展開支援の派遣専門家等で大活躍。「リスクをチャンスに変える4つのメソッド」という本も出版されています。そんな藤田さんに、国際化支援についてお話を伺いました。
(2019年2月14日インタビュー)

1 お名前 藤田 泰宏 (ふじた やすひろ)
2 所属・種類 ・FMC フジタ・マネジメント・コンサルティング 代表(独立)
・株式会社ワールド・ビジネス・アソシエイツ チーフ・コンサルタント
・合同会社みんプロ パートナー
3 診断士歴 5年
4 独立して何年? 3年
5 独立までの職歴は? 総合商社26年、教育産業10年
6 得意な語学 語学は苦手だが、英語で仕事はできる
7 得意な業界 食品・農林水産物の貿易、製造、卸、小売り、飲食店業界
8 どんな活動をされていますか? ・東京都中小企業診断士協会中央支部経由の専門家派遣業務
・JETRO新輸出大国コンソーシアム・エキスパート(海崖展開戦略策定支援) 
・株式会社ワールド・ビジネス・アソシエイツ経由の海外・外国人対応業務
・合同会社みんプロでの総務的業務
・民間顧問業務

 
【グラフで見る!私の診断士事業】…注)数値はご本人の感覚値です!

1. 国際化業務って…?
商社勤務時代は、アメリカに2回駐在経験(オレゴン州ポートランド、テキサス州ヒューストン)があり、アジア諸国へも出張ベースで頻繁に訪れていた藤田さんですが、現在の活動拠点は90%が日本国内であり、外国語を使う業務も25%程度だそう。国際化業務であっても、日本企業の海外展開支援の場合は、国内で日本語を使ったアドバイス業務が多いのですね。支援企業さんからの、進出国への同行出張依頼に備えて、英語のブラッシュアップも続けていらっしゃるようです。
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2. 診断士事業の内容って…?
藤田さんの仕事の割合は、公的案件専門家30%、民間顧問30%、セミナー講師が20%となっています。案件獲得ルートは、「知人の紹介、繋がりから」が53%と半分以上です。続いて公募・専門家登録先からが26%、公的案件の延長が21%です。診断士事業にとって、信頼される存在であること、幅広いネットワークを持つことが案件獲得には重要な好事例といえるようです。
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3. 時間マネジメントは??
多岐にわたる診断士事業で多忙を極める藤田さんの一日を垣間見てみましょう。お仕事時間は、コンサルティングが一番長く、続いて分析・執筆、メール・コレポンと続きます。専門家業務は地方出張も多いため、移動時間もある程度必要なようです。
睡眠時間は25%。睡眠をしっかりとって、健康を保つ努力をしている藤田さんの姿勢がうかがえます。そして、趣味の時間も確保。寝る前にはパイプオルガンの練習を自宅の電子オルガンでなさっているそうです。音の響きに心が癒されるのと共に、指を動かす、ペダルを踏むといった一連の演奏動作は、仕事の疲れからリフレッシュできるそう。そうした趣味の時間があればこそ、仕事にも集中できるのですね。このコーナー前出の先輩方同様、やはり良い仕事のためには、良い休息、良い趣味が必須なのでしょう。
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【教えてください!私の仕事術】
Q:営業方針・戦略は?
A:彼を知り己を知れば百戦殆うからず。自分の得意分野を活かすです。
Q:今後勉強したい、深めたいことは?
A:食料の輸出入分野、リスク・マネジメント分野、事業承継分野です。専門分野であっても、時代や環境の変化と共に、知識もアップデートしていくことが必要です。
Q:なるほど、そうした姿勢が信頼される秘訣なんですね。一番大事なオシゴト道具は何でしょうか?
A:健康です。体が資本ですから。
Q:職業としての中小企業診断士、一言でいうと?
A:企業の町医者です。
Q:なるほど。最後に、今後中小企業の国際化支援に携わりたい診断士の皆さんにひとこと!!
A: 広く海外に目を向け、勇気を持って果敢に挑戦することが大切だと思います。リスクの語源はイタリア語のrisicare(リジカーレ)で、勇気をもって試みる、という意味。リスクをとって、海外案件にチャレンジしてみてください。

(インタビュー&文責:井原美恵 中央支部国際部)